劇場版 ドラゴンボール 摩訶不思議大冒険 戦闘力

DRAGON BALL THE MOVIES #17 ドラゴンボール 摩訶不思議大冒険 [DVD]



 -概要-

 劇場版 ドラゴンボール 第3作。1988年7月9日公開。

 劇場版ドラゴンボール三部作。食欲(グルメス)、睡眠欲(ねむり姫)ときて、最後は支配欲権化の登場だ? 鶴仙人・桃白白兄弟がドラゴンボールによる世界征服に向けて動き出した。幼き餃子皇帝が治めるミーファン帝国を舞台に巻き起こる鶴亀合戦。亀仙人の下での修行を終えたばかりの悟空で、果たして桃白白を倒すことができるのか?

 アニメ本編では若返ったピッコロ大魔王との直接対決が始まった頃の作品。今作の悟空は亀仙流の修行を終えたばかりで、時期的には第21回天下一武道会に相当する。しかし、話はレッドリボン軍編から第22回天下一武道会まで一気に取り込んでいる。悟空の戦闘力も前作に比べるとそれ相応に高まっており、見ごたえのあるストーリーだ。次作はピッコロ大魔王編のリメイクになる予定だったが、ドラゴンボールZに移行した。




-ミーファン帝国の面々- 赤数字:公式数値 青数字:推定数値 紫数字:完全推定数値

〔参考戦闘力:地球人一般男性 5  女性 4  子供(10歳) 2  ミスター・サタン 6.66


ピラフ 3(推定)
シュウ 4(推定)
マイ 5(推定)

 ミーファン帝国のために一生懸命になってドラゴンレーダー(広域)を開発した。ピッコロ大魔王を甦らせた時のように従順な見返りを求めた結果、受け取ったのは桃白白じきじきの褒美。本来ならば1億ゼニーは必要な、世界一の殺し屋への依頼料三人分、しめて3億ゼニー。後に残るはおぞましき悲鳴のみ。さしものピラフ一味も本編のようなしぶとさは発揮できなかったか?


ブルー将軍 90(推定)

 ミーファン帝国軍の将校として登場。戦闘力、超能力は本編どおりのものを持っている。オカマ口調でナルシシスト的な面も覗かせるが、今作では国に忠義を尽くす立派な軍人だ。鶴仙人大臣の挙動を疑い、餃子皇帝陛下にこれ以上大臣に信頼を置かないようほのめかす。超能力で桃白白の動きを封じ、かぶとを投げつけて無様に倒そうとした。しかし超能力は効いておらず、即座に剣で斬りかかるも、またしても軽く避けられる。そして、本編どおりに舌(ベロ)でこめかみを貫かれ、絶命してしまった。鶴仙人大臣は何事もなかったかのように餃子皇帝に話を続けるのだった。


メタリック軍曹 60(推定)

 ミーファン帝国軍の下士官として登場。全人工製のロボットであることは本編と同様だ(動力源については触れられていないが、本編と一緒なら乾電池)。レッドリボン軍編での戦闘力は30(推定)だが、その3年後に相当する今作では2倍はある。第22回天下一武道会に出場した頃の悟空たちと渡り合うために、攻撃力・耐久力がアップ。同じレッドリボン軍出身のブルー将軍とは違い、鶴仙人・桃白白兄弟に完全服従している。

 街の料理店でボラを取り押さえようとして、悟空たちと一戦交えた。悟空の頭突きで首が取れるが、アラレちゃんのように自分で元に戻した。
 城での最終決戦では亀仙人に右手を切断される。鶴仙人の命令でウパを人質にとり、鶴仙人が倒された後は独自の判断でウパを殺そうとした。しかし、悟空の体当たりで背中から腹にかけて風穴を開け、機能を停止する。(ブラック参謀のバトルジャケットのようなやられ方だが、爆発はしなかった)


アントン・ザ・グレートみたいな大男 20(推定)

 第22回天下一武道会の予選で戦った巨人レスラー、アントン・ザ・グレート似の武道家。アニメ本編のアントンは髪が黒かったが、こちらの大男は茶色の髪で、毛皮を着ている。ミーファン帝国の勝ち抜き武道大会で、開始を告げる第1戦目にヤムチャと戦った。「坊や運が悪かったな」となめてかかるが、ヤムチャには「運が悪いのはどっちかな」となめ返される。身長体格差から繰り出す大上段からの張り手でヤムチャを押しつぶそうとした。しかし、狼牙風風拳の速度で間合いを詰められ、オーバーヘッドキックであごを蹴り抜かれ気絶。この試合結果を見た参加者のほとんどが自信を失くし、会場を去っていった。


ミーファン帝国軍一般兵士 56(推定)

 武器や帝国軍の権威がある以外、身体的・戦闘力的には常人と大差ないだろう。本編におけるキングキャッスル王立軍のような軍服を着ている。だが、やっていることはレッドリボン軍と同じで、各地の人々を駆り出しドラゴンボールを捜索した。ドラゴンボールを見つけた後は、働いてきた者たちを口封じに皆殺しにしていたという。中には、鶴仙人大臣の命令で仕方なく命令に従っていた兵士たちもいたようだ。鶴仙人やメタリック軍曹がやられたことで、王宮の兵士たちは観念し餃子皇帝にひざまずいた。


餃子 60(推定)

 東の大国、ミーファン帝国を治める皇帝として登場。本編での年齢は15歳だが、今作では見た目どおりの幼い設定。鶴仙人大臣に利用される傀儡皇帝だったが、本人は気付いていなかった。心から信頼できるのは花嫁・黄黄(ランラン)と、唯一の友達である「天」こと天津飯だけ。天津飯のことは兄のような親しみを込めて「天さん」とも呼ぶ。

 戦う描写は一切なく、皇帝である以外はごく普通の子供として描かれている。超能力や舞空術は覚えておらず、天津飯から教わったテレパシーだけを使うことができる。しかし、未来予知に近い直感力を備えており、自分の身に迫る危機を夢に見ていた(アニメ本編第131話「それぞれの道をめざして」でも、火山の噴火を予知するシーンがある)。今作以降の展開次第では、悟空たちの仲間となって戦列に加わる可能性もあったはずだ。よって、今作での戦闘力も本編と同じものを採用したい。

 ボラ殺害から表立った鶴仙人大臣の暴挙を目の当たりにし、天津飯に止めさせてと訴える。しかし、すでに帝国組織は鶴仙人大臣によって掌握されており、誰も聞く耳を持たなかった。天津飯にさえ見放され、殺されそうになるが、「チャオズって呼んでくれた」と喜び、涙を流す。その一筋の涙が天津飯の心を動かし、自身と国を救う結果を呼んだ。


天津飯 180(通常時 大全集など)540(気功砲 推定)

 ミーファン帝国皇帝の付き人として登場。武術指南役も務めており、餃子皇帝に武道会の勝敗の行方を解説する。孤独な皇帝餃子の寂しさを紛らわすためにテレパシー会話を教えていた。鶴仙人・桃白白兄弟に師事し、特に桃白白を尊敬するのは本編どおり。同じく本編どおりなら、戦闘力の上では桃白白を超えているだろう。亀仙人の延髄に強烈な膝蹴りを決め、気絶させるほどの腕前がある。

 初めは、鶴仙人大臣の命令で餃子皇帝に近づき、友達となった。しかし、餃子の孤独な心を知り、同情、友情を超え、弟のような愛情を抱くようになる。鶴仙人大臣から餃子を殺せと命じられるが、ためらう。いっそ一思いに楽にしてやるからな「チャオズ」と名前を呼ぶと、怖がるどころか喜ばれた。かけがえのない友達が流した涙は、亀仙人がいうように天津飯自身の技が泣いている証なのか。師弟の絆を友情が上回り、天津飯は鶴仙人大臣を気功砲で吹き飛ばすのだった。


鶴仙人 120(通常時 大全集など)240(どどん波 推定)

 ミーファン帝国の大臣として登場(大臣はもう一人いるようで、武道大会で鶴仙人は皇帝の左に座った。すなわち左大臣? 左大臣は右大臣よりも権力がある)。餃子皇帝が幼いのをいいことに、帝国権力の全てを掌握しつつあった。行方不明となった黄黄(ランラン)皇后捜索を建前に、軍を動かしてドラゴンボールを集める。国民からは「鶴様」と呼ばれるが、大臣に就任してからろくなことがないと嫌われていた。亀仙人とは武泰斗の下で学んだ同門かは不明だが、かって知ったる仲のようだ。

 「鶴仙宮」という自分専用の豪華な部屋をつくり、そこにドラゴンボールを隠す。ヒンズー教の神のような像の両目を押すと、口が開いてベロリとドラゴンボールを吐き出す仕掛け。ドラゴンボールで叶えようとする願いは世界征服で、兄弟覇権による天下統一だ。武道会で桃白白が悟空を倒すと亀仙人に向かって勝ち誇り、いよいよ本性を現した。ドラゴンボールは底無し淵に沈んでしまい、世界征服は諦めこの国で我慢しようとする。天津飯に命じて餃子を殺害し、自分がミーファン帝国皇帝の座に就こうとしたのだ。

 しかし、ためらう天津飯に業を煮やし、自らの手で餃子を亡き者にしようとした。本編でも使わなかった鶴仙人自らのどどん波だが、天津飯の気功砲にかき消される。そしてそのまま、鶴仙人も完全に消し飛んでしまった。(本編では亀仙人のかめはめ波で遠くに飛ばされただけで、死にはしなかった。だが、さすがに気功砲をまともに受けては無事では済むまい)


黄黄(ランラン) 0

 餃子皇帝の花嫁にしてミーファン帝国皇后、のように大事にされていた人形。餃子を女の子にしたような姿。孤独な餃子皇帝が心の支えにしていたもので、命の次に大切にしていたといっても過言ではない。鶴仙人大臣がドラゴンボールを探す口実とするため、天津飯に隠し持たせていた。鶴仙人に反旗を翻した天津飯の手から餃子皇帝の手に戻り、天津飯と餃子の友情も深まる。



-孫悟空と仲間たち- 赤数字:公式数値 青数字:推定数値 紫数字:完全推定数値

〔参考戦闘力:地球人一般男性 5  女性 4  子供(10歳) 2  ミスター・サタン 6.66


悟空 160(通常時 推定)320(かめはめ波 推定)

 亀仙人の下での修行を終え、戦闘力は前作の12(推定)から一気に160にアップした。本編における第22回天下一武道会出場時、「試合用パワー」に相当する戦闘力だ。前作「魔神城のねむり姫」で失った尻尾はそのままだが、もはや戦闘力的には何の問題もない。(第21回天下一武道会出場時は、尻尾なしで85、尻尾が再生して100。それぞれ推定値)

 身長体格も15~16歳時の姿に成長しており、今作では3年間は修行していたということか。その戦闘力なら桃白白(本編では135推定)を倒せたはずだが、今作では桃白白も強くなっている。本編で初めて対決した時のように、かめはめ波は桃白白の服をボロボロにしただけ。逆に桃白白のどどん波を受けて、悟空は何とカリン塔の頂上にまで吹っ飛んだ。


クリリン 120(推定)

 亀仙人の下での修行を終え、戦闘力は前作の5.9(推定)から120に一気にアップした。本編における第22回天下一武道会出場時の戦闘力で、前作までの亀仙人に並ぶ。身長体格も17歳の姿に成長しており、やはり3年間は修行していたということだろう。しかし、メタリック軍曹と少し戦ったり、兵士を蹴散らす程度の活躍しかできなかった。悟空との友情は確実に深まっており、四星球を手放す悟空を気遣う場面がラストにある。


亀仙人 139(通常時)

 本編と同じく、悟空たちの修行に合わせて密かに特訓していたのだろう。戦闘力は前作までの120(推定)から139に伸び、かつては互角だった鶴仙人を超えた。悟空とクリリンの修行の成果を試す場として、ミーファン帝国でおこわなわる武道大会を選んだ。結果、本編ではありえなかった桃白白との直接対面が実現し、因縁の鶴亀合戦の印象が強まる。ミーファン城下の料理店では機転を利かせ、桃白白との激突を翌日の武道大会に持ち越した。(武道大会の出場者は皇帝の客人として扱われる慣わし。それを利用して騒ぎをおさめた)

 鶴亀合戦の最終段階では、天津飯から「二度と目覚めない」といわれた膝蹴りを延髄に喰らう。しかし、目覚めて天津飯をいさめ、餃子皇帝殺害を踏み留めさせるきっかけをつくった。兵士を蹴散らしメタリック軍曹の右手を切断するなど、クリリン以上の活躍を果たした。スケベな面も多少はあったが、前作、前々作以上に渋い役どころとなっている。


ウミガメ 0.001

 カメハウスで留守番をしていることがほとんどだが、今作では悟空たちのミーファン帝国行きに同行した(本編の第22回天下一武道会も観戦しにいっており、今作はそれに相当する展開)。主に、スケベな亀仙人のお目付け役か、怯え役として活躍(?)した。飛行機内ではランチさんの隣で怯え、武道会場では兵士に銃を突きつけられ怯えた。天津飯に「二度と目覚めない」と言われた亀仙人をいたわっていたら、急に起き上がったのでビックリした。


ランチ 4(青髪 推定)6.5(金髪 推定)

 前作「魔神城のねむり姫」でねむり姫の代わりに連れてこられ、そのままカメハウスに住み込んだ。ウミガメ同様、悟空たちのミーファン帝国行きに同行する。飛行機をハイジャックしたくなるのを抑え、ミーファン帝国でもおとなしくしていた。(街の料理店でパトカーのサイレンに反応したが、この国ではまだ何もしていなかった)

 だが、ドラゴンボールを狙うブルマに誘われ、宮殿に盗みに入る手伝いをさせられる。初めは「ここをやるのか!?」とさすがに驚いたが、その気になるともう止まらない。貴族の奥さんの首根っこをひっつかまえ、高価そうな首飾りをふんだくるなど、やりたい放題だった。今作の時点では天津飯のワイルドさには惚れてはいない。


ブルマ 4(推定)

 悟空の祖父の形見である四星球を探す、という口実でヤムチャたちとドラゴンボール探し。空・水両用の飛行機(潜水艦)で、ミーファン帝国軍と一戦交えた。前々作「神龍の伝説」で見せたような無鉄砲さで、次々と軍用機を撃墜する。巨大潜水艦の魚雷に敗れてしまったが、生きて西の都の自宅に戻った。(部屋には「天下一武道会」のタペストリーが飾られていた)

 ドラゴンボールの電波を感知して追跡するカメラロケットで鶴仙人の部屋を覗き見。ミーファン帝国入りし、大胆にも宮殿にドラゴンボールを盗みに入る。鶴仙人大臣の部屋に侵入し、神像の口からドラゴンボールを取り出すことには成功した。しかし、鶴仙人のどどん波を避ける際に池に落ち、深い亀裂にドラゴンボールを落としてしまう。何かしら叶えたい願いはあったようだが、それが何だったのかは語られていない。


ヤムチャ 70(推定)

 ブルマのドラゴンボール探しに付き合い、ミーファン帝国入りすることになる。ヤムチャ自身の目的は武道大会にあり、(3年間の)修行の成果を試すことにあった。本編では亀仙人に弟子入りしているが、今作では独自に修行を重ねてきた様子。前作までは初登場時の戦闘力 8.6(推定)のままだったが、大きくパワーアップしている。(さすがに、亀仙人の下で修行した第22回天下一武道会参加時の110〔推定〕には及ばないが)

 アントン・ザ・グレートみたいな大男(推定 20)を軽く撃破し、続いてボラとの対戦になった。戦闘力的にはボラ(推定 70)と同等だと見ていいだろう。メタリック軍曹(推定 60)よりも強いのは間違いない。ボラにはパワーでは劣るものの、狼牙風風拳による得意の速攻で武舞台端まで追い詰める。だが、ボラを勝たせたい亀仙人が「ヤムチャさんパフパフしてあげる」と茶色い声援で気をそらした。思わず振り向いてしまった一瞬、ボラからの強烈な張り手でヤムチャは場外に突き飛ばされる。クラクラと気絶寸前だったが、「だいぶ鍛えてあるみたい」(だから大丈夫)と悟空には言われた。

 宮殿では、鶴仙人のどどん波からブルマを守り、池に飛び込んだ。池底の亀裂に落ち込んでしまったドラゴンボールを拾おうとしたが、深すぎてどうにもならなかった。


ウーロン 2(推定)

 ブルマのドラゴンボール探しに付き合い、危うく死にかけた。もう付き合わんと言いながら、ミーファン帝国のかわいこちゃんに釣られる(ブルマが偵察用のカメラロケットでミーファン帝国の水着美女を映し出した)。ミーファン帝国では、いもしない「宮殿の中のお姫様」に釣られて鶴仙人に化けた。一度目は小太りで背の低い豚鼻鶴仙人のできあがり。二度目で少しはマシになる。苦労の甲斐あって(?)、鶴仙人大臣の部屋に忍び込むことに成功した。


プーアル 1(推定)

 プーアルはヤムチャ様のために、ヤムチャ様はブルマさんのために。ブルマさんのドラゴンボール探しに振り回されるも、ヤムチャ様のためにプーアル頑張る? ミーファン帝国の宮殿では、餃子皇帝に化けた。(ほとんどそっくりだが目だけプーアル)


ウパ 3(推定)

 父ボラに連れられて聖地カリンからミーファン帝国へ。戦闘力、身長体格はピッコロ大魔王編に登場したウパ。本編初登場時(戦闘力 1.5 推定)より少したくましくなっており、クリリンには女の子に間違われなかった。だが戦力にはならず、イエロー大佐の代わりにメタリック軍曹に人質に取られたりもした。悟空が呼び出した神龍に、自らの口で願いを言うのは本編どおり。


ボラ 70(推定)

 カリン塔の番人であり、四星球を偶然見つけたのも本編どおり。異なるのは、聖地カリンを荒らすのがレッドリボンではなくミーファン帝国軍であること。そして、ウパを連れ自らの足でミーファン帝国まで赴いたことだ。帝国の城下町、料理店では金鉱石を取り出して食事を取ろうとした。聖地カリンでは質素な暮らしをしているが、いざと言うときのための資金はあるらしい。

 しかし、ドラゴンボールを所持していることを帝国軍に察知され、取り囲まれてしまう。桃白白まで現れ、本編どおりの「あわや」という事態になった。その場は亀仙人の機転に救われ、翌日の武道大会に希望を託すことにする。武道大会で優勝すれば、世界各地での帝国軍の横暴を皇帝に直訴することができるのだ。

 武道大会ではヤムチャと戦い、防戦一方になるが、一瞬の隙を見逃さず場外にたたき出す。銃弾を弾き返す屈強な肉体、大岩を軽々と持ち上げるパワー、今作での戦闘力は本編どおりだ。そう、本編どおりにここで桃白白に殺害されてしまうことになった。凶器となったのは自身の槍ではなく、武道会場を見下ろす武神像の構える槍。桃白白に投げられた先が不運にも、という事故の形にされてしまう。

 ドラゴンボールで生き返るのは本編と一緒だが、生き返るまでの時間が違う。本編では死んでから3日後(悟空のカリン塔修行後)だが、ここでは1時間もせずに生き返った。


カリン 190(ジャンプ付録)

 カリン塔の頂上に棲む仙猫様。焼き魚定食を食べ油断していたところに、悟空が桃白白のどどん波で飛ばされてきた。本来はカリン様が見守っている限り、塔の下から登ってこなければ頂上にはたどり着けないと語られる。逆を言えば、カリン様が許しさえすれば飛行機でも登ってこられるということだ。人造人間編でブルマが天界の神殿にまで行き着くことができたのも、カリン様が許したからだろう。

 悟空の心を読み、すでに状況把握済みなのは本編と同じ。悟空に早速仙豆を食わせ回復させるが、超聖水の修行をつけている時間はない。今作の悟空はもともと桃白白を倒せる力を持っており、後は心の問題だった。カリン様は四星球を沈めた水がめの水をたとえに、明鏡止水の心を説く。桃白白の接近を知らせ悟空を送り出すも、悟空が置き忘れた四星球を取りに戻ってきてずっこける。修行のショートカットといい、悟空には調子を狂わされっぱなしだった。



-VS 桃白白 in ペンギン村- 赤数字:公式数値 青数字:推定数値 紫数字:完全推定数値

〔参考戦闘力:地球人一般男性 5  女性 4  子供(10歳) 2  ミスター・サタン 6.66


桃白白 170(通常時 推定)340(どどん波/気でガード 推定)

 ミーファン帝国の傭兵として登場。鶴仙人の弟であることには本編と変わりがない。しかし、戦闘力は本編登場時(推定 135)よりも高く、サイボーグ桃白白並(推定 170)に強化されている。第22回天下一武道会「試合用パワー」に相当する悟空(推定 160)と戦うのだから、当然のレベルアップだろう。戦闘力 139の亀仙人に対しても、鶴仙人から「今のお前にとっちゃ恐れるに足りぬわ」と評価されている。どどん波も、かめはめ波かスーパーどどん波と見まがうほどの特大サイズで放つことができる。悟空に撃ったどどん波は、ミーファン帝国から北東2300km離れたカリン塔頂上にまで届いた。

 その悟空が最後のドラゴンボールを持っていたため、後を追うことになる。本編同様に柱を利用し、ジェット機以上の速度で飛行する。片道2300km、往復4600kmを30分で戻ってこられるという速度。それは最低でも時速9200km=マッハ約7.7という計算だ。(蛇の道100万kmを半年で走破した悟空は、平均時速230km。アニメ本編130話「悟空の敵は…悟空!?」では、クリリンたちが時速200kmの車を軽く走り抜いている。桃白白の戦闘力でマッハ7.7というのは速すぎる気もするが、移動方法の違いのせいだろう)


悟空 180(仙豆で回復パワーアップ 通常時 大全集など)360(気でガード 推定)

 今作の悟空はもともと桃白白を倒せる力があった。ということに加えて、仙豆による回復パワーアップも働いたと考えることができる。第22回天下一武道会、「戦闘用パワー」と同等の力を得た悟空が桃白白を迎え撃つ。どどん波(推定 340 相当)も両手に気を集中することで完全に抑え込んだ。悟空と桃白白の決戦の場になったのはペンギン村だ。


則巻アラレ(アラレちゃん) 210(推定)~?
則巻ガジラ×2(ガッちゃんズ) 各210(推定)~?

 今作の桃白白がサイボーグ桃白白並なら、アラレちゃんたちもそれに応じてレベルアップする。レッドリボン軍編のアラレちゃんは(最低でも)戦闘力 165(カードダス)。出会った時の悟空、あるいは桃白白に敗北した悟空(推定 115)+50の戦闘力だ。今作でも同様に計算し、桃白白に敗北した悟空(推定 160)+50で、210の戦闘力が導き出せる。この数値は奇しくも、ジャンプ付録に記載されているサイボーグ桃白白と同じだ。

「おっさん遊んでちょ」

 今作登場のアラレちゃんは、ブルー将軍の代わりに桃白白と「遊ぶ」。柱に乗って飛行中の桃白白を大岩を投げてたたき落とした。いたずらガッちゃんズは、桃白白に気付かれることなく、三つ編みを縄で木に括りつけた。桃白白のどどん波(推定 340 相当)を食らって「ほよー」で済むアラレちゃん。耐久力は戦闘力値の2倍以上はあり、やっぱり戦闘力の上限は未知数のミラクルガール?

 悟空&アラレちゃん&ガッちゃんズの強力タッグの前に、桃白白はいきなり平謝り。みんなの前で謝るからとウソをつき、悟空から四星球を奪ってジェットバイクで逃走を図る。そのまま逃げていれば何とかなったかもしれないが、ミサイルを二発撃ったのがまずかった。悟空には蹴り返され、アラレちゃんには頭突きで返され、本編以上の爆死となる。


則巻千兵衛 5(推定)

 筋斗雲で去っていく悟空を見送るアラレちゃんとガッちゃんズ。その後ろから「へ?」と一瞬だけ登場したセンベエ博士。


神龍 200(推定)

 ミーファン帝国宮殿隣の池の底、「底無し淵」に沈んでしまった6つのドラゴンボール。悟空はそこに四星球を投げ込むことで、ドラゴンボールを一箇所にそろえ神龍を呼び出した。神龍はエンディングテーマ曲「ドラゴンボール伝説」に乗って荘厳に登場し、ボラを生き返らせる。本編の悟空は飛び散るボールの中から四星球だけを掴み取ったが、ここでは何もしなかった。悟空は前々作「神龍の伝説」のように、筋斗雲に乗って飛び散ったボールを追いかけるのか。というところで、劇場版ドラゴンボール三部作は幕を閉じた。

 ミーファン帝国の「底無し淵」は亀裂が龍の姿を描いており、龍が棲んでいたと言い伝えられている。ミーファン帝国の国旗には「珠を持った龍」が描かれていることから、神龍との関係性がうかがえる。ミーファン帝国の建国者は、もしかするとドラゴンボールで願いを叶え初代皇帝となったのかもしれない。なお、ミーファンとは「御飯」の中国語読みであり、悟飯(じっちゃん)を暗示しているとも受け取れる。つまり、今作は悟空と悟飯(じっちゃん)の再会が形を変えて描かれたものと考えられるのだ。



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