劇場版 ドラゴンボールZ この世で一番強いヤツ 戦闘力

DRAGON BALL THE MOVIES #02 ドラゴンボールZ この世で一番強いヤツ [DVD]



 -概要-

 劇場版 ドラゴンボールZ 第2作(劇場版DBシリーズ第5作)。1990年3月10日公開。

 太陽の熱をもってしても溶けないといわれる永久氷壁で覆われたツルマイツブリ山。神の御業か悪魔の所業か、溶けた氷の中にいたのは恐竜で玉乗り仕込みたいね? 頭空っぽのほうが夢詰め込めるけれど、頭詰まってなお邪悪な野望(ゆめ)いっぱい。神龍の力により、世界支配をたくらむ悪の天才科学者・Dr.ウィローが復活した。脳だけで生き延びていたDr.ウィローは、完全復活するために新しい体を欲する。最強の頭脳に相応しい最強の肉体を求め、外郎(ういろう)なヤツが動き出した。

 ストーリーの時期的には、本編のベジータ戦前後に相当する。悟空・クリリン・悟飯はナメック星に旅立たず、ピッコロは存命中。ヤムチャ・天津飯・餃子の消息は不明だが、劇場版次作を見るに生き残っている模様。ゆえに、本編にそのまま組み入れることはできないパラレルストーリーである。




-神の力 悪魔の頭脳- 赤数字:公式数値 青数字:推定数値

神龍 200(推定)

 神の龍、シェンロン。Dr.コーチンは全能と称えたが、創造主である神の力を超えた願いは叶えられないのは周知のとおり。ここでいう「神の力」とは、肉体的な強さ、エネルギー量、戦闘力とも置き換えることができる。地球の神龍は、地球の神(推定戦闘力 280)を超える戦闘力や現象を止めることは不可能なのだ。ナメック星においては過去、星全体を襲った異常気象を止めることはできなかったようだ。しかし、神龍はたやすく永久氷壁を砕き、その下に眠るDr.ウィローの研究所を浮上させた。ピッコロでも破壊できなかったツルマイツブリの永久氷壁をどうして溶かすことができたのか?

 少し見方を変えるとヒントが出てくる。神の力を超える力を止める(手出しする)ことはできないが、戻すことはできる。生き返らせたり、若返らせたり、回復させたり、といったことは戦闘力には左右されない。Dr.コーチンが叶えた願いはDr.ウィローを復活させることであり、永久氷壁を砕くことではない。Dr.ウィローは50年前の天候異変で一夜にして雪と氷の下に研究所ごと沈んだ。つまり、神龍はツルマイツブリの環境を50年前に「戻し」たに過ぎないと推察できる。

 神龍自体に戦闘力(気)はあるだろうか? あるとしたら、神(推定280)よりも下ということになる。かつて神龍は、若返ったピッコロ大魔王(260)の口からのエネルギー波一撃で倒されたことがある。その耐久力から察するに、神龍の戦闘力は最大でも200といったところだろう。基本的には神龍の戦闘力は創造主(製作者)を下回ることになると見てよさそうだ。だが、他の要因(マイナスエネルギー)が加わることで、龍の力は邪悪に増大する。ドラゴンボールGTに登場する最後の敵、邪悪龍がそれだ。


Dr.コーチン 8(映画パンフレット)

 Dr.ウィローの助手で、バイオテクノロジーの天才。老科学者。50年前にDr.ウィローとともに死んだとされていたが、体を機械化して生き延びていた。バイオテクノロジーだけではなく、ロボット工学・環境学など様々な分野を修めているようだ。杖にレーザー砲、左手にバルカン砲を仕込むなど全身を武器化しているが、亀仙人には遠く及ばない。IQ(知能指数)は高いが、バイオ強化したとしても戦闘力は常人の範囲内だろう(銃器類は戦闘力には換算されない)。なお、カードダスの数値を参考にしたという映画パンフレット(地球まるごと超決戦)によればDr.コーチンの戦闘力は8となっているが、カードダスにはDr.コーチンのカードは存在しない。

 Dr.ウィローに心酔し、ともにバカな人類を改造して支配下に置こうと企む。高過ぎる知能を持つゆえに誰にも理解されず疎外された結果、人類への復讐をもって自己の存在を確立しようとする。我唯一の選民意識に毒された、ドラゴンボールに登場する悪の科学者の典型といえるだろう。奇しくも、Dr.コーチンはドクター・ゲロと同じ声優(矢田耕司)が演じている。知力に絶対の自信を持っているためか、頭脳に関する悪口を言われると気に障るらしい。普段は飄々としているが、ブルマにバカ呼ばわりされた時には、名古屋コーチン(鶏)のようにトサカに来た。

 ドクター・ゲロは17号に殺された。Dr.コーチンもまた、己の夢を託し技術力を注ぎ込んだDr.ウィローに殺されるような形になった。Dr.ウィローの起動により研究所の床が崩れ、落下、エネルギーの支柱に触れて爆死する。

 ドラゴンボールヒーローズにはJM6弾から登場。「マッドネスワンド」という必殺技を使うほか、超アビリティ「時空転送S」によってDr.ウィローを召喚することもできる。



-VS バイオ凶暴戦士- 赤数字:公式数値 青数字:推定数値

バイオマン 100(対亀仙人 推定)1000(最大 カードダス/映画パンフレット)

 Dr.コーチンがつくりだした量産型の戦闘員。黒い栽培マンといったような姿。ツルマイツブリ山では悟飯を袋叩きにしたが、亀ハウスでは亀仙人に蹴散らされた。映画パンフレット(地球まるごと超決戦)カードダスによればBP(戦闘力)は1000で、栽培マン(1200)より多少弱い程度。亀仙人(139)にやられた時は1/10に戦闘力を下げていたということか。片言だが会話能力もある。栽培マンも人語は理解できるがしゃべれない。知能の面ではバイオマンが栽培マンよりやや上か。ドラゴンボールヒーローズにはJM6弾から登場し、「バイオボム」という必殺技を使う。


亀仙人 139(通常時)278(かめはめ波 気の一点集中による倍加 推定)

 またの名を武天老師。武術の神と謳われた実力を見込まれ、Dr.ウィローの新たな体として狙われる。バイオマンをあっさり倒し、凶暴戦士三人組ともしばらく戦いつづけることができた。全身レベルの「気の開放」はできないが、かめはめ波による気の一点集中で戦闘力は倍加する。筋肉ムキムキのMAXパワー、月をも破壊する かめはめ波最大出力ならばもっと高まるだろう。カードダスを参考にしたという映画パンフレット(地球まるごと超決戦)記載の戦闘力350(カードダス第1弾「格闘技大決戦」での数値)を超えるかもしれない。

 しかし、Dr.コーチンが「あの程度」と感じたとおり、凶暴戦士は手を抜いて(戦闘力を下げて)いた。亀仙人自身そのことは痛感しており、「この世で一番」と言われた時、自嘲気味に笑った。最後にはブルマに「この世で一番スケベなヤツ」の烙印を押されてしまう。だが、悟空たちのよき師匠であることには間違いない。

 DBZ以降(復活の「F」やドラゴンボール超を除き)、亀仙人がまともに戦う姿が見られるのは「この世で一番強いヤツ」のみ。(アニメオリジナルの魔凶星編では、自我を失った状態でクリリンに襲いかかったことはある)


キシーメ 160(対亀仙人 推定)7000(対悟空 カードダス/映画パンフレット)8000(対悟空最大 カードダス)

 Dr.コーチンがバイオテクノロジーの粋を集めてつくりだした凶暴戦士のうちの一体。小柄。といっても完全な生物ではなく、生物工学以外の要素も導入されているようだ。骨格が金属のロボットで、外皮を生体組織が覆っているものと思われる。生物の要素があるためか、ドクター・ゲロ製の人造人間(セル除く)と違い、「気」を持っている。気をコントロールすることも可能かもしれない。亀仙人(通常時 139)を相手に全開の8000で戦ったとは考えにくいからだ。最大値の1/50にまで戦闘力を下げないと亀仙人はひとたまりもない。(パラレルということで亀仙人の戦闘力を上げても構わないが、少しでも本編に即すならこちらが自然)

 キシーメの得意技は電撃と高速移動。腕から「きしめん」のようなコードを伸ばし、電撃ムチと化す。亀仙人・悟飯・クリリンを気絶するほど痺れさせた。まるで瞬間移動のような高速移動で悟空を翻弄。残像拳に見えるが残像拳ではなく、敵の攻撃が当たる直前に気配ごと断っている。

 カードダスの数値を参考にしたという映画パンフレット(地球まるごと超決戦)によれば戦闘力7000。カードダスによればBP 7000(+1000)で最大8000となり、悟空の基本最大値に並ぶ。しかし、自慢の高速移動も電気=光速とまではいかず、しばらくすると悟空に見切られてしまう。界王拳悟空(1万2000)の突進で戦闘不能に陥り、バチバチとショートした。

 ドラゴンボールヒーローズにはJM6弾から登場。「電気触手」というアビリティと、「雷光閃」という必殺技を使う。


ミソカッツン 146(対亀仙人 推定)4300(対悟空 カードダス/映画パンフレット)7300(対悟空最大 カードダス)

 Dr.コーチンがバイオテクノロジーの粋を集めてつくりだした凶暴戦士のうちの一体。肥満体。カードダスの数値を参考にしたという映画パンフレット(地球まるごと超決戦)によれば戦闘力4300。カードダスによればBP 4300(+3000)で最大7300となり、悟空の基本最大値よりやや下。その分、防御に優れており、非常に柔軟な身体構造をしている。ブヨンのように冷えて固まってしまうという弱点はなく、寒さにも強い。

 亀仙人のかめはめ波(推定 278)を軽々と跳ね返し、悟空(5000)の攻撃を難なく耐えた。甘くコクのある味噌カツの味噌ダレのようによく伸びる体だ。より大きく体を膨らませ、気を高めた悟空の突進(8000)にも耐える。しかし、界王拳突進(1万2000)には耐え切れなかった。破裂した風船のようにしぼみ、大穴の開いた腹から機械部品を覗かせた。

 ドラゴンボールヒーローズにはJM6弾から登場。「柔軟な巨体」というアビリティと、「旋回撃」という必殺技を使う。


エビフリャー 170(対亀仙人 推定)7500(対悟空 カードダス/映画パンフレット)8500(対悟空最大 カードダス)

 Dr.コーチンがバイオテクノロジーの粋を集めてつくりだした凶暴戦士のうちの一体。巨漢。カードダスの数値を参考にしたという映画パンフレット(地球まるごと超決戦)によれば戦闘力7500。カードダスによればBP 7500(+1000)で最大8500となり、悟空の基本最大値を上回る。しかし、パワー型のためか総合的な体術では悟空に劣り、キシーメと連携しても劣勢は覆せなかった。

 得意技は「凍結拳」。掌から凄まじい冷気を飛ばして敵を凍りつかせる。クリリン・悟飯を冷凍エビフライのようにまるまる氷漬けにし、悟空の自由も奪った。凍結拳の氷はちょっとやそっとでは溶けないのだ。だが、太陽の熱でも溶けないツルマイツブリの永久氷壁とまではいかなかった。悟空の界王拳(1万2000)が発する真っ赤なオーラの熱によって氷を溶かされ、そのまま突進を受け倒された。エビフリャーが倒れた場所には冷凍庫のように冷気が漏れ漂っていた。

 ドラゴンボールヒーローズにはJM6弾から登場。必殺技は映画と同じく「凍結拳」。


悟空 5000(気を抑える)8000(基本最大)1万2000(界王拳 推定)

 悟空の強さはナッパ・ベジータ戦時そのもの。ミソカッツン(4300~7300)との戦いで5000から8000、そして界王拳(推定1.5倍)1万2000に戦闘力を引き上げた。残る凶暴戦士キシーメ・エビフリャーも界王拳で決着をつけている。


ピッコロ 3000(重り&気を抑える 推定概算)
4000(重りを外す&気を抑える 推定)6500(最大 推定)

 ナッパ戦時のピッコロ(基本最大 推定2500)よりは強くなっている模様。本編の時期的には、蛇の道をたどり界王星での修行を開始したばかりの頃の戦闘力になるか。悟空(8000)といい勝負ができ、弱ったDr.ウィローにダメージを与えられるレベルにはある。気を抑えた状態は悟空と同じ割合で概算、重り装備はラディッツ戦時の割合から概算出した。

 Dr.ウィローの研究所が浮上した際、たまたまツルマイツブリに居合わせたために捕まってしまう(ピッコロ大魔王だから捕縛されたというわけではない。この時点では亀仙人が最強戦士扱いなので)。バイオマン(1000)は余裕で一掃できるが、キシーメら凶暴戦士(平均 約8000)には敵わない。Dr.コーチンの手にかかり洗脳されてしまうが、悟飯の怒りの気によって洗脳装置が破壊され、正気に戻った。

 ドラゴンボールヒーローズJM6弾で洗脳状態のピッコロがカード化されている。


悟飯 981(気を抑える)20003500(基本値安定せず 推定)
7500(潜在能力 推定)1万4000(怒りによる倍加 推定)

 ツルマイツブリ山では気を抑えていたのと、寒さ、油断からバイオマン(1000)に袋叩きにされてしまった。その時の戦闘力はナッパが初めて計測した悟飯の戦闘力を採用。Dr.ウィローの研究所ではエビフリャー(8500)の凍結拳をクリリンと二人がかりで防御。ピッコロと同じく、本編ナメック星到達以降の戦闘力は有しているようだ。基本値が安定しないのはナッパ戦同様だが、その数値はナメック星到着時のものを採用できる。怒りによる最大瞬間戦闘力に到っては、Dr.ウィローを危険視させるほどにまで高まっている。おそらく界王拳悟空(1万2000)以上、最長老の潜在開放を受けた状態に匹敵するだろう(表面的な基本値以上に潜在能力が眠っており、それを怒りでさらに倍化させたものと思われる)。「この世で一番強いヤツ」に登場する悟飯は、ラディッツ戦~ナメック星中盤までの集大成といった感じだ。


クリリン 3200(最大 推定)

 ナメック星到達時の基本最大戦闘力(推定 1900)に、最長老の潜在開放(1万3000)の1/10をプラス。それでも活躍するには微妙な戦闘力なのか、あまりいい見せ場に恵まれない。ラスト直前には悟空が元気玉を撃つ隙を作るため、Dr.ウィローに悟飯・ピッコロが攻撃を仕掛けるシーンがある。クリリンもカッコよく決めようとするが、なぜか一人だけDr.ウィローに反撃されてしまう。この後、劇場版クリリンのお決まりとなる「何でオレだけ」の始まりだった。



-VS Dr.ウィロー- 赤数字:公式数値 青数字:推定数値

Dr.ウィロー 3万9000
(最大 カードダス/映画パンフレット)
3万8800
(4倍界王拳かめはめ波によるダメージ カードダス)

 Dr.ウィローは科学者でありながら、「気」を感知する能力がある。また、自身の気も凄まじく、研究所の外からでも悟飯が「凄い気」だと感じ取れるほど。これは五体満足の頃からなのか、それとも脳だけの状態となってから目覚めた新たなパワーなのか。いずれにせよ、これが天才Dr.コーチンをも虜にする超天才たる所以なのだろう。

 カードダスの数値を参考にしたという映画パンフレット(地球まるごと超決戦)によれば戦闘力39000。カードダスによればBP 39000(-200)でスカウター欄の数値も合わせれば38800。ナメック星到達前の悟空たちからしてみれば、破格の基本戦闘力だ。研究所のエネルギー支柱からもたらされる膨大なエネルギーと、自身は醜いと嫌悪する強固なメタルボディ(週刊少年ジャンプ1990年 第13号の特集記事では「無敵のロボット・マジンウルトラ28号」となっている)。悟空の4倍界王拳かめはめ波(32000)に耐えたことは驚嘆に値する。(カードダスの隠し数値 -200がダメージなのだろう。ボディの一部が損壊したが戦闘力はほとんど減っていない)

 この世に復活すべき肉体として悟空を選んだが、追い詰められ、最後には全てがどうでもよくなった。持てる全てのエネルギーを結集し、地球もろとも悟空たちを消し去ろうとする。しかし、地球そのものの命ともいえる元気玉の直撃を受け、大気圏上でその生涯を閉じた。

 対戦ゲームには「ドラゴンボールZ Sparking! METEOR」に参戦。

 ドラゴンボールヒーローズにはJM6弾、Dr.ウィロー編の超ボスとして登場。プレイヤーがDr.コーチンの超アビリティ「時空転送S」を使って味方として召喚することもできる。必殺技は「マッドネスキャノン」。


悟空 8000(基本最大)2万4000(3倍界王拳 推定)3万2000(4倍界王拳 大全集など)

 対Dr.ウィロー戦の悟空は、2倍をすっ飛ばしていきなり3倍界王拳を発動した。それはDr.ウィローの強さ(39000)を認めていたからで、4倍界王拳かめはめ波でも倒せないと分かっていた。


元気玉 7万(推定)

 4倍界王拳かめはめ波の奔流でDr.ウィローは大気圏の外まで飛ばされた。悟空はすぐに元気玉の態勢に入る。気を感じることのできるDr.ウィローは「地球が騒がしい」と察知。Dr.ウィローは惑星破壊の最終攻撃に入る前に、悟空を速射レーザーで狙い撃った。元気玉完成直後、悟空は上空から降り注ぐレーザー攻撃を浴びて倒れる。しかし、ベジータ戦時のように元気は逃げなかった。暖かい地球のエネルギーが悟空の右手に集まっている。

 一投。Dr.ウィローが放った熱く冷たい惑星破壊のエネルギーを切り裂き押し返し、地球の元気が突き進む。ベジータ戦では不発に終わった、完全状態の地球版元気玉の炸裂だ。Dr.ウィローは大爆発とともに消え、同時に地上の研究所も大崩壊を引き起こした。地球の全人類、全生命のか弱くとも生きたいという願いが、強き個の欲望を打ち滅ぼしたのだ。



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