劇場版 ドラゴンボール 魔神城のねむり姫 戦闘力

DRAGON BALL THE MOVIES #16 ドラゴンボール 魔神城のねむり姫 [DVD]



 -概要-

 劇場版 ドラゴンボール 第2作。1987年7月18日公開。

 食欲魔人グルメス王の次に出でたるは、睡眠欲魔女ねむり姫? 悟空とクリリンは亀仙流への入門テストとして魔神城のねむり姫を連れてくることになった。魔神城の城主ルシフェルこそが、ねむり姫をさらった張本人の悪魔なのか? 亀仙人はねむり姫を世にも美しいお姫様と思っていたが、その真実の姿は? 鏡のような満月の光を浴びて目覚めるねむり姫、そして大猿悟空。美女と野獣が月夜にすっぽんぽんでルシフェル照準ラストサン!?

 アニメ本編ではレッドリボン軍編終盤、悟空たちが占いババの宮殿で戦い始めた頃の作品。劇場版前作「神龍の伝説」の続きとなるが、まだ亀仙人に弟子入りする前のストーリーだ。ようやくお馴染みの仲間がそろってきたところで、登場するキャラクターの戦闘力は総じて低い。しかし、太陽を破壊するというスケールの大きさはセル編に勝るとも劣らない?




-孫悟空と仲間たち- 赤数字:公式数値 青数字:推定数値 紫数字:完全推定数値

〔参考戦闘力:地球人一般男性 5  女性 4  子供(10歳) 2  ミスター・サタン 6.66


亀仙人 120(通常時 推定)

 前作で全壊してしまったカメハウスやヤシの木はすっかり元通り。悟空とクリリンに入門テストとしてぴちぴちギャルを連れてくるよう命じるのは本編どおり。しかし、連れてくる相手を「魔神城のねむり姫」と名指ししたのが今作での事件の発端となる。ブルマには「イヤラシイお使い」と勘繰られ、慌てて悟空は「遊園地マージャン城」に行った口からデマカセ。悟空の後を追ったブルマたちまで危険の渦中に飛び込ませてしまうとは露知らず。のん気に悟空たちの帰りとねむり姫の到来を待つ。


悟空 12(推定)120(大猿化 推定)11(尻尾失う 推定)22(かめはめ波 推定)

 前作「神龍の伝説」の最後で、悟空は飛び散った四星球を求めて旅立った。しかし今作の冒頭では、亀仙人に弟子入りするための身支度がすっかり整っている。ドラゴンレーダーも持たず飛び出していったものの、やはりブルマのもとに戻り事情を知ったのだろう。ドラゴンボールは願いを叶えてから1年間石になることを知り、悟空はどう時間をつぶすかを考えた。そして、本編どおり亀仙人に弟子入りする道を選んだというわけに違いない。

 そんな悟空の戦闘力は、本編でのピラフ一味編の直後のものを採用できる。しかし尻尾は失っていないため、本編よりも若干強い状態での亀仙流入門となる。入門テストの「魔神城のねむり姫」探しは、本編でのぴちぴちギャル探しと石探しの修行を兼ねている。魔神城ではクリリンと協力しながら魔人たちと戦い、ついに「ねむり姫」を手にするところまでこぎつけた。しかし、クリリンを人質に取られ、ねむり姫を手放すとともに自分も石壁の枷につながれてしまう。

 大猿となって大暴れするが、戦闘力は亀仙人(推定 120)に並んだ程度。ヤムチャとクリリンでもどうにか歯止めが利く範囲で、弱点の尻尾を押さえられてプーアルに切られる。元の姿に戻り、尻尾消失も「ま、いっか」と軽く流し、ウーロンのズボンをはいて再び城の中へ。尻尾をなくしてパワーダウンしたとはいえ、魔神城城主ルシフェルはこの時点の実力で勝てる相手ではなかった。かめはめ波でも太陽破壊光線砲を破壊することはできなかったが、衝撃で砲台の床が抜ける。太陽破壊光線砲の照準がルシフェルに向き、城とともにルシフェルは消滅した。

 ねむり姫の代わりにランチさんを連れ帰ったことで、悟空とクリリンは晴れて亀仙人の弟子となる。劇場版悟空が本当に強くなり、通常時の戦闘力が100を超えるのは次作からだ。


クリリン 5.9(推定)

 はるばる東の村から亀仙人の弟子となるためにやって来た。筋斗雲に乗れなかった理由は語られていないが、本編と同じ「不純な動機」だろう。悟空のこともライバルというより敵としかみなしていなかった。しかし、魔神城で何度も助けられているうちに、悟空を認め共闘するようになる。

 戦闘力は本編初登場時と同じで常人より多少強い程度。だが、小さな体格でこの戦闘力があれば、じゅうぶんに常人以上の動きと格闘ができる。(多林寺で8年間学んだ)武術も伊達ではなく、魔神城の魔人軍団を蹴散らしていった。悟空とともに亀仙人の弟子となり、5.9(ゴークリリン)が本当に強くなるのはこれからだ。


ブルマ 4(推定)

 亀仙人がクリリンからもらったH本を楽しんでいるところに登場。夏休みを利用して悟空に会いにきたという。(本編作中では、悟空がブルマと出会い亀仙人に弟子入りしたのは9月のこと。アニメや映画は公開時期の季節に合わせてストーリーの季節も変わることが多い。西の都のハイスクールは9月の間が夏休みということも考えられるが)

 悟空が遊園地マージャン城(魔神城のこと)に遊びにいったと聞き、楽しそうだと後を追う。乗っていた飛行機を魔人に落とされ、気付いた時には豪華なベッドの上。城主ルシフェルから晩餐会に誘われ、広間にいた大勢の魔人たちを「よくできた仮装パーティ」だと思い込む。しかし、自分自身が晩餐会の「ご馳走」とされそうになり、ようやくここがオバケ屋敷ではないことに気付いた。「ねむり姫」の目覚めを祝う乾杯の飲み物として、でかい注射器で心臓から血を抜かれそうになる。本編でピラフから受けた「エッチ攻撃」の比ではなく、貞操どころか命の危機が迫っていた。

 それでもどこか余裕があるというか抜けているというか。ルシフェルが太陽を消し飛ばそうとしていると知った時は、「海水浴に行けない」と言った。太陽破壊光線砲が発動する寸前にも、悟空に「海水浴、じゃなかった太陽が」と慌てる。ともかくヤムチャと悟空の活躍に救われ、平和な夏休み(と海水浴?)を取り返すことができた。


ヤムチャ 8.6(推定)

 前作では亀仙人をだまして悟空を倒そうとした悪党だったが、今作では髪とともに悪の心も切り捨てた? おそらくブルマと同じハイスクールに通うことにしたのだろうが、今はまだ夏休み。暇をもてあまし、ブルマとともに悟空に会いにきたものと推測できる。亀仙人には「お久しぶりです」と挨拶したが、作中での時間は一月も経ってはいまい。(本編では、悟空はブルマと出会ってから10日後には亀仙人に弟子入りしている)

 魔神城の魔人に乗っていた飛行機を落とされ、気付いた時にはブルマとはぐれていた。プーアルと協力して魔人の兵士に扮し、晩餐会での様子をうかがい、隙を見てブルマを助け出そうとする。しかし、ウーロンの変身が解けたことでプーアルもびっくりして変身を解いてしまい、皆捕まった。岩壁の枷につながれていたが悟空の大猿化で脱出し、悟空の尻尾をつかんでどうにか元に戻す。ルシフェルの執事の魔の手からブルマを救い、崩れる城から脱出した。

 ヤムチャはヤムチャ? 前作から時間も経っていないため、戦闘力は以前のまま8.6(ヤム)だろう。しかし、次作では亀仙流入門前にもかかわらず、ずっと強くなって登場する。


ウーロン 2(推定)

 ブルマやヤムチャとともに亀仙人のもとを訪れ、遊園地だと思って魔神城に踏み込んだのが運の尽き。魔神城では魔人の兵士に化けて様子をうかがうが、制限時間の5分が過ぎて変身が解けてしまう。皆で石壁の枷につながれ、「どこが遊園地だよ、ったく、亀仙人のアホタレ」と文句を言わずにはいられない。悟空の大猿化によって石壁からは脱出できたものの、今度は大猿悟空に追いまわされる。元に戻った悟空にはズボンを取られ、神龍は出ないからギャルのパンティももらえない。しかし命だけは取られずに済み、最後には「ま、何はともあれみんな無事でよかったね」と締めた。


プーアル 1(推定)

 ブルマ・ヤムチャ・ウーロンとともに亀仙人のもとを訪れた。魔神城では、ヤムチャの上半身を覆う形で魔人の兵士に化ける。しかし、ウーロンが元の姿に戻っているのに驚いて自分も変身を解いてしまった。石壁の枷につながれ、他の皆が首と手を出す中、プーアルだけは手が短いせいで首だけが出る。その首で夜空に輝く満月を眺め、(見納めとは言わなかったが)「きれいだな」とつぶやいた。本編同様、プーアルのその一言がきっかけで悟空は大猿となる。また、ヤムチャにいわれてハサミに化け大猿悟空の尻尾を切りもした。悟空を大猿にして、元に戻した張本人といえるかもしれない。


ランチ 4(青髪 推定)6.5(金髪 推定)

 金髪ランチさん、人呼んで「いただきランチ」。伝説の秘宝「ねむり姫」をいただきに参上した。大胆にも魔神城の晩餐会にバイクで乗り込み、颯爽と「ねむり姫」を強奪。マシンガンを乱射しながらバイクで魔人の間を駆け抜け、「いただき」完了かと思われた。しかし、自分の髪の毛が鼻に引っかかりくしゃみをしてしまい、無害な青髪ランチさんになる。悟空たちと一緒に石壁の枷につながれるが、どうして自分がこんなところにいるのか分からない。

 大猿悟空に捕まり、食べられそうにもなった(その時ヤムチャから「この人は敵じゃない」と言われる)。訳の分からないままカメハウスに連れてこられ、亀仙人に「ねむり姫」と勘違いされる。自分の名前はランチだと自己紹介すると、亀仙人に「美味しそうな名前」だと鼻血とよだれを垂らされる。カメハウスに連れ込まれるとくしゃみ一発、マシンガンで亀仙人の額を三発撃ち抜いた。ハエがよぎってまたくしゃみをして青髪になるが、亀仙人や悟空たちには怯えられ後ずさりされる。

 何はともあれ、このランチさんを連れてきたおかげで、悟空とクリリンは亀仙人への弟子入りを許された。ランチさんは劇場版次作にも引き続き登場し、悟空たちの面倒を見ることになる。


ウミガメ 0.001

 冒頭の頃には出かけていたのか、カメハウスにはいなかった。悟空とクリリンがランチさんを連れ帰った時にはいた。青髪ランチさんを見てよだれを垂らす亀仙人を戒める。金髪ランチさんの銃撃は甲羅にこもって完全防御した。戦闘力は0.001でも、防御力はかなり高いようだ。



-魔神城の戦い- 赤数字:公式数値 青数字:推定数値 紫数字:完全推定数値

〔参考戦闘力:地球人一般男性 5  女性 4  子供(10歳) 2  ミスター・サタン 6.66


魔人(魔神城の兵士) 5.5(推定)

 魔神城に巣食う魔人たち。好物は若い女の生き血や、子供の柔らかい肉。鬼のような角を生やした者、角はないが獣のような大きい耳をした者。姿かたちは様々あるが、イボイボの肌をしているのが特徴。緑色の肌の魔人と、灰色の肌の魔人に大別できる。

 クリリン(推定 5.9)にも薙ぎ倒される程度の戦闘力で、常人より多少強い程度。そのためか、ガトリング砲やショットガンなど銃器類で武装している(石斧を使うこともある)。また、ここに含まれる魔人はこれといった妖術も使用できず、自力で空を飛ぶこともできない。ラッパを吹き鳴らし大軍勢で悟空とクリリンを踏み潰したが、大したダメージにもならず、総崩れにされた。

 アニメ本編第81話「悟空・魔界へ行く」に登場したシュラ配下の魔人たちと同じような姿をしている。ルシフェル同様にシュラも光を弱点としており、魔神城の魔人たちも光が苦手なのは変わらないだろう。ただしルシフェルほどには光過敏ではないのか、魔神城周辺を覆う濃い霧だけでじゅうぶんのようだ。


双頭プテラノドン 7(推定)

 魔神城周辺の棲む魔物。魔神城の魔人ではない。クリリンを捕まえ食べようとしたが、逆に足を噛まれてクリリンを投げ落とした。本編初期に登場したプテラノドン(推定 6)よりは戦闘力があるだろう。


双頭獣(魔神城の魔人兵士) 5.5(推定)

 二つの頭を持った鳥かドラゴンのような姿の魔人で、ギャーギャー鳴く。右の頭は一つ目で、左の頭は二つ目。計三つの目を持っている。飛行型であり空中戦を得意とし、左右の頭に死角はない。戦闘力は普通の魔人と大差なく、やはりガトリング砲やロケットランチャーで武装している。筋斗雲に乗る悟空(とその背中にしがみつくクリリン)を襲った。


小怪獣 0.5(推定)

 ピンク色のゴムボールみたいな姿のちっちゃな怪獣。額に小さな一本角と、悪魔のような先のとがった尻尾を生やしている。羽も生えているが飛行能力には乏しく、ピョンピョン飛び跳ねて移動する。小さな牙でカプカプと噛みついてくるが、吸血するわけでもなく、プーアルよりも小さくほとんど無害。悟空には何度も払われたが、最後に尻尾に噛みついて悟空をヘナヘナにした。(クリリンがそれを見ていたことで、大猿悟空を止める方法を思いつく。小怪獣は大猿悟空に驚いて逃げていった)


執事 5(推定)

 魔神城でルシフェルに仕える執事の魔人。「せむし男」のように猫背で、背中が湾曲している。グルメス王とは逆の目(右目)がギョロリと飛び出している。抑揚のないしゃべり方をし、表情にもあまり変化がない。

 魔神城に迷い込んだ人間を捕らえ、魔人たちの食糧として選別するのが役目のようだ。ヤムチャ・ウーロン・プーアルは「不味そうだから」と放置し、ブルマだけを捕まえた。ブルマが16歳と聞いて思わず「16年物(の美女の生き血)」と言うが、やはり感情はこもっていない。ブルマの胸の谷間をガーゼでぽんぽんとたたき、「ここが一番心臓に近い」とさらりと残酷なことをいう。

 戦闘力は他の魔人に劣り、常人と大差ないだろう。ブルマを取り返されそうになり、斧を振り上げてヤムチャに襲いかかるが、簡単に蹴り飛ばされた。ルシフェル同様に光が苦手で、朝日から目を守るため丸いサングラスをかけていた。


ガステル 12(推定)

 魔神城に棲む上級魔人。真っ赤な肌をしており、巨大なピンク色の角が二本頭に生えている。悟空と互角に渡り合うことのできる戦闘力があり、他の魔人と違い銃器には頼らない。先端に玉のついた棒のような武器をふるい、太い石柱をえぐり倒す。如意棒の強烈な一撃を腹に食らっても平気で立ち上がり、反撃してきた。

 天女か風神雷神のような羽衣で空を飛ぶことはできないが、硬化して伸縮自在の刃と化す。また、足元に青白い火炎車を灯して空中を飛行でき、その速度は筋斗雲にも劣らない。三叉の槍をふるって、筋斗雲を駆る悟空(とその背中にしがみつくクリリン)を追い込んだ。だが、悟空の作戦に引っかかり、地底湖の怪物に食われる最期となってしまう。

 アニメ本編第81話「悟空・魔界に行く」にも、ガステルと似た魔人が何体か登場した。


地底湖の怪物 100(推定)

 魔神城周辺の地底湖に生息する巨大な魔物。湖の上を通る者がいると大きな口を開けて出現し、口を閉じてすぐに湖中に姿を消す。まるで食虫植物ハエトリグサ(ハエトリソウ・ハエジゴク)のように、獲物に自動反応をする。その正体は巨大なワニのようなもので、戦闘力は大猿悟空にも匹敵するだろう。ガステルのような上級魔人でも、飲み込まれたら一巻の終わりとなる。悟空と直接戦うことはなかったが、ある意味、今作最強の敵。



-VS ルシフェル- 赤数字:公式数値 青数字:推定数値 紫数字:完全推定数値

〔参考戦闘力:地球人一般男性 5  女性 4  子供(10歳) 2  ミスター・サタン 6.66


ルシフェル 25(通常時 推定)35(エネルギー弾 推定)

 「悪魔の手」と呼ばれる五つの岩山が連なった場所に魔神城を構え、城主として君臨する魔人。吸血鬼ドラキュラ伯爵を思わせる容姿をしており、若い女の生き血や子供の柔らかい肉を好む。赤い瞳、青い肌。髪型は、寝癖のひどい悟空+ベジータの額+フサフサもみあげ。普段はブルマも一目ぼれするほどの紳士だが、本性を現すと輪郭が変わるほど形相が一変する。「変身」というほどのものではないが、牙が生え、耳朶が伸び、まさしく吸血鬼といった表情になるのだ。

 悟空(尻尾を失いパワーダウン 推定 11)の攻撃を片手でさばくほどの戦闘力を有する。この時点の悟空の戦闘力では、かめはめ波(推定 22 相当)直撃でも倒せなかっただろう(ルシフェルが悟空のかめはめ波を避けたということは、多少のダメージは与えられる可能性もある)。前作と比較して、暴走前のグルメス王(推定 15)よりは強いが、暴走後(推定 30)には劣るといったところ。

 この時期の敵には珍しく、エネルギー弾を繰り出すことができる。血のように赤いエネルギーの塊で、被弾後は噴き出した血のようにあたりを赤く染める。連発できる分、かめはめ波ほどの「気の一点集中」効果(推定 2倍)はないが、通常時の1.4倍と推定した。赤いエネルギー弾を繰り出せば戦闘力は35となり、暴走グルメスも倒せる計算だ。

 亀仙人の語った伝説では、「数千年前にねむり姫をさらったスケベな悪魔」とされていた。事の真相は、「5000年前に魔力を秘めた秘宝・ねむり姫を盗み出した魔人」。霧深く暗い魔神城に身を隠しながらも、日中はサングラスで目を守らなければならないほどの光過敏。そんな弱点を永久に克服せんがために、ルシフェルにはねむり姫の力が必要だった。


ねむり姫 01700億
(太陽破壊光線砲 エネルギー充填)

 「ずうっと西の果て、森の奥深く分け入った城に、数千年もの間眠り続けているという世にも美しいお姫様。大昔、スケベな悪魔にさらわれ、その城に閉じ込められたという世にも美しき娘。数千年もの間、誰の助けもなく暗い部屋の中でねむり続けている。一目その姿を見た者は、あまりの美しさに目がくらみ、腰を抜かすとさえいわれている」

 というのは亀仙人が語った、ねむり姫の伝説。

「姿かたち及ぶものなく、厳かにして装い気高く他を圧し、麗しきこと女神たちにも立ち勝る」

 というのは金髪ランチさんが調べた伝承。その実態は、手からあふれるくらいの大きさの宝石だった。本編でブルマが海賊の洞窟から取ってきた特大ダイヤ並の価値(数百億ゼニー)はあるだろう。だがそれ以上に、この宝石には「兵器」としての価値が高かった。5000年かけて熟してきた魔力は、満月の光を浴びることで完成し、開放される。その威力は太陽さえ消し飛ばすほどで、ルシフェルが長年心待ちにしていたもの。

 満月の光を吸収した「ねむり姫」は七色に光り輝き、そしてリッチストーンよりも真紅に色を変えた。戦闘力にすれば、超完全体セル(1600億)超2悟飯(1500億)に匹敵するエネルギーはあるかもしれない。サイヤ人を大猿に変える1700万ゼノのブルーツ波が、1700億の戦闘力に変換されたわけだ。ルシフェルはそれを太陽破壊光線砲にセットし、永久なる暗黒極寒の世界を築き上げようとする。しかし、悟空のかめはめ波で砲台の床が抜け、照準がルシフェル自身に向けられてしまった。ルシフェルは太陽破壊光線を浴びて消滅し、暴走するエネルギーで魔神城は倒壊した。

 「悪魔の手」の小指は大猿悟空が、薬指はねむり姫が折り倒したことになる。天に向かって突き立っていた五本の指は今や三本となり、巨大なピースサインにも見える。悟空・クリリン・ブルマ・ヤムチャ・ウーロン・プーアルもピースしながら記念撮影をした。



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