ドラゴンボールZ/改 人造人間 セル編(後編) 戦闘力

ドラゴンボール改 人造人間・セル編 12 [DVD]



-VS セル- 赤数字:公式数値 紫数字:完全推定数値

ピッコロ(神と融合) 1億9000万(融合前 重り)9億5000万(融合後 重り)

「な……なんだ…!? なんだあの化け物は………!!」

 かつてない未曾有の危機到来を予感した神は、ついにピッコロとひとつになる決意をした。神の戦闘力は280推定(通常時)だが、融合後の戦闘力には影響しない。ピッコロがスーパーパワーアップを成し遂げるためのきっかけとなるに過ぎないのだ。

 神と融合する前のピッコロの戦闘力は、1億9000万(重り)→2億4000万(最大)。その時点で超サイヤ人になった悟空たちに迫る強さを持っており、クリリンたちを驚愕させた。そして、神と融合することで、ネイルと同化したときと同様、5倍のパワーアップ。融合後は重いターバンとマントを装備した状態でも9億5000万となり、18号(9億)を上回った。しかし、今戦うべき相手は人造人間ではなく、神が感じ取った危機の元凶だ。

「もう神でもピッコロでもない………本当の名前も忘れてしまったナメック星人だ」

 ひとつになった神と大魔王(の息子)。本編ではクリリンに「超(スーパー)ナメック星人」、原作のサブタイトルでは「新生ピッコロ」と呼ばれている。カードダスでは超ナメック星人ピッコロを縮めた「超(スーパー)ピッコロ」の名称が採用されている。超ピッコロさん。悟空には「神コロさま」と名前まで合体させられたが、本人はこれまでどおりピッコロでいいとコメント。クリリンや天津飯には当初神と接するように敬語で話しかけられていたが、そのうち普通に戻った。

 神と融合したピッコロは、その広い知識と下界を見渡す千里眼の能力を受け継いだ。セルにやられたフリをして話を引き出す知恵も身に着けており、ドラゴンボール超では「知恵者」を自称している。ただし、ドラゴンボールを生み出す能力は失われ、地球のDBはデンデが新たな神となるまで機能を停止することとなった。が、GTで登場する、神と大魔王が分離する前に創造したという究極ドラゴンボールはこのとき復活したと思われる。



セル(第一形態) 2億6000万(初期値)
3億(ジンジャータウン15000人の生体エキスを吸収)
4億(ピッコロ左腕の生体エキスを吸収)
0(気を消す)

(セルが超サイヤ人化していると考えた場合の基本値)
520万(初期値)600万(ジンジャータウン15000人の生体エキスを吸収)800万(ピッコロ左腕の生体エキスを吸収)

 ドクター・ゲロのコンピュータが生み出した細胞(セル)合成型の人造人間。生物としての特徴が強く、他の人造人間と違い「気」を持っている。それも、素材となった細胞主である悟空、ベジータ、ピッコロ、フリーザ、コルドのものが交じり合った特殊な気だ。アニメ(Zおよび改)では例えば、かめはめ波を撃つとき悟空の気が顕著になる演出がなされた。また、Zおよび改でピッコロの魔貫光殺砲、Zのみではフリーザの光線眼(アイビーム)も披露している。さらに、Zおよび改ではクリリンが「悟空や天津飯たちの気を感じる」と発言。Zのみだが、ドクター・ゲロの研究所ではクリリンがセルの細胞に「オレや悟空のも入ってる」とも。原作其之三百六十七の扉絵では、ほかにも数種の生物の細胞がミックスされていると書かれている。

 ベジータは神と融合したピッコロとセルの気を「ふたつのバカでかい不思議な戦闘力」と言った。そしてピッコロに対し「超サイヤ人のオレをたしかに超えていた」と認めたが、セルを含めていいかどうかは疑問だ。セルはベジータに対し「予想を大きく上回るパワー」と警戒しており、この時点のセルではベジータに勝てなかった可能性もある。16号の評価も、ピッコロのパワーは17号、18号に匹敵するほど大きいものとなっているが、セルはそうではない。セルの初期戦闘力は、現代の17号、18号より弱いという、未来の17号、18号よりも低いのではないだろうか。初めから未来17号、18号よりセルのほうが強いなら、現代17号、18号との差を知らないセルはすぐに吸収しに行ったはず。

 セルの気には採取した時期の細胞主の気(戦闘力)が影響を与えていた。例えば、セルが撃ったかめはめ波は、ベジータ戦時の悟空(8000)が放ったのと同じ威力だったようだ。そこで、セル(第一形態)の戦闘力は、元になった細胞主の戦闘力の単純合計として求めてみる。悟空(8000)、ベジータ(18000)、ピッコロ(2500)、メカフリーザ(1億6000万)、コルド(1億)。全部足すと2億6002万8500。ほとんどがメカフリーザとコルドで占めている。端数は切り捨て、セル第一形態の初期戦闘力は2億6000万としたい。その戦闘力があれば、未来で不意を突いてトランクス(超化2億5000万)を殺しタイムマシンを奪うにはじゅうぶんだろう。ちなみに、このセルが誕生した次元の過去では、トランクスがフリーザ親子を倒したとも受け取れる場面がある。また、セルは「私が完成するのは24年も未来のこと」と言ったが正しくは21年後。「一度卵に戻ってしまうと再び熟成するのに地中で3年」というのも4年が正しい。

 セルはその気になれば元気玉もできると言っている。ゲーム「ドラゴンボールZ」「Z2」「Z3」「Sparking!」「同 NEO」の完全体セルは邪悪な元気玉を使用できる。ならば、界王拳も当然使えるはずだが、セルは界王拳を使おうとしなかった。その気がないから使わないだけなのか? それとも言わないだけで初めから使っていたのか? 界王拳を昇華した「気の爆発」説でもそれは説明可能だが、ここではアニメ寄りの設定で別の説を採用したい。セル超サイヤ人化説だ。超サイヤ人覚醒後の悟空は界王拳を封印してきたとドラゴンボール超で語られている。第一形態のセルは、メカフリーザとコルドの合計数値である2億6000万の戦闘力を超化の要領で引き出しているものとする。

 セルが出現したのは西の都の郊外にある町、ジンジャータウン。アニメでは次の標的となった町の名がガーリック三人衆に引っかけたのか、ニッキータウンになっていた。ジンジャータウンの住民15000人。1人頭、戦闘力5としても75000にしかならない。その程度のエネルギーでは数十万人から集めたところで17号、18号を超えることはできないが…。
 
 セルの尻尾は、生物の肉体そのものを生体エキスとして完全吸収することができる。19号、20号のエネルギー吸収よりも遥かに効率がいい吸収システムとなっているのかもしれない。ここでは、気を抑えた状態のセルの生体エキス吸収は「吸収対象の戦闘力×10」と定めたい。さらに、セルが超サイヤ人に変身できるとすれば、50倍の増幅が可能となる。ジンジャータウン住民15000人、戦闘力合計75000×10×50=3750万。約4000万の増加でセルの戦闘力は3億に増加した。


ピッコロ(神と融合) 9億5000万(重り)
9億(セルに左腕を吸収される 全体重の5%ほど、戦闘力にして約5000万低下)
3億(セルを油断させて話を引き出すためにわざと気を下げた)
9億(左腕を再生するとともに気を開放)

「命はもらった!!!」

 ピッコロはセルに隙を突かれ、背後から拘束されて生体エキスを吸収されてしまう。心臓への直撃は避けたが、左腕が蛇の抜け殻のように萎び、もう使い物にならなかった。

 片腕は人間の全体重の6%を占めるという。ピッコロの左腕はかろうじて残っているので、セルに吸われたのは全体重の5%ほどだろうか。単純に体重を戦闘力に置き換えてみると、ピッコロは4750万相当のエネルギーを持っていかれたことになる。ジンジャータウンの住人を吸収したときと同じ効率(10倍想定)なら、セルは約5億のパワーアップを果たしたことになるが…。

「セル…貴様に吸い取られた片腕ぶんのエネルギーを計算してもまだオレのほうが実力は上…覚悟するんだな」

 ピッコロがセルに生体エキスを吸収されたのは話を引き出すための芝居だった。5億プラスでもセル8億、対するピッコロは9億で、たしかにピッコロのほうが上にはなる計算だ。しかし、ここではセルの戦闘力はもっと抑えておいたほうがいいように思われる。戦闘力8億もあれば未来の17号、18号は確実に超えているだろう。現代の17号、18号が未来の2人と同じだと思っているセルは、すぐにでも吸収に向かうはず。しかし、セルは用心してさらなる生体エキス吸収を目論んでいる。ピッコロの左腕を吸収したセルは、よくて未来の17号と同程度のパワー(4億)。セルが気を開放(超化)した状態での生体エキス吸収のエネルギー効率は2倍としておきたい。

 なお、このときピッコロが左腕を再生しなければ、セルが自分にも再生能力があることに気づかなかったのでは、とよく言われる。しかし、完全体になったセルは頭の核が再生中枢だと認識しており、能力を自覚するのも時間の問題だったのかもしれない。


人造人間17号 12億
ピッコロ(神と融合) 12億(重りを外す 最大)

 新生ピッコロ対17号。重い装備を外したピッコロは戦闘力が9億5000万から12億に増加した。17号と18号は双子の姉弟だが、弟の17号は姉の18号よりパワー値が上だ。史上最強を自称する人間(少年)ベースの人造人間と、超ナメック星人が激突する。18号(9億)vs超1-1ベジータ(8億)はやや18号が有利だったが、ピッコロvs17号は完全互角。17号は戦闘力にして12億のパワー値を有していることになる。ピッコロいわく、17号は「スピードは相当のもの。しかしパンチに重さが足りない」。永久エネルギーの17号を相手にしても、ピッコロはスタミナ切れを起こすまで時間がかかった。

 なお、17号には原作、アニメともに気になる設定の齟齬がいくつかある。

 1.17号はパワーレーダー非搭載のはずが、アニメの17号は目の奥の装置か何かで機械的に16号のデータ照合をした。
 2.ベジータがサイヤ人の王子であることはゲロがスパイしていないフリーザ編で判明したことなのに、なぜか17号が知っていた。
 3.18号「間違ってもドクター・ゲロ『様』なんて言わないよ!」。ただし起動時の17号「おはようございますドクター・ゲロ様」。
 4.17号は悟空と直接会ったことはないのに、ブウ編で「久しぶりに聞いたな。あいつの声も」と懐かしがっていた。

 1は、アニメの演出はパワーレーダーではなく、あくまでデータ照合と考えられなくもない。2は、描かれていないところでスパイカメラがベジータとナッパの会話でも拾ったのだろうか。3.はツッコむだけ野暮というものかもしれないが、気になるといえば気になるので。

 4については、ゲロに見せられた映像記録から知っていたとすることもできるだろう。その場面はもともとランチになる予定だったと大全集や超全集で鳥山明が答えてもいる。また、大全集や超全集では、人造人間になる前の17号、18号はふだつきの不良姉弟だったとも。生きのいい実験材料を探していたゲロと偶然出会い、そのままさらわれて改造されてしまったそうな。

 フルカラーコミック 人造人間・セル編 6巻末の龍珠問答でも鳥山明が17号、18号に関する新情報を答えていた。人間ベースである17号、18号は修行すれば強くなる。食事は不要だが水分補給は必要。細胞の劣化が遅く、年の取り方も緩やか(完全な不老というわけではないようだ)。17号にはラピス、18号にはラズリという本名があった(2人合わせてラピスラズリ〔和名:瑠璃〕という宝石名が由来)。本人がそれを覚えているかどうかは書かれておらず、不明。作中では17号、18号を名乗り続けている。そして、セル編後の17号は、巨大な王立自然公園の動物保護区で保護官(レンジャー)として働いているという。動物学者の妻との間に生まれた子供が1人、養子が2人、自然公園内の一軒家で静かに暮らしているとのこと。その設定を受けてか、ドラゴンボール超の宇宙サバイバル編の17号は「RANGER(レンジャー)」の腕章をしている。

「自然は大切にしろよ」

 GTでは、本来の17号はセルをも超える力を持った究極の人造人間だったと判明。しかし、人間だったときの感情が邪魔をして、その凄まじい潜在パワーは眠ったままだったという。ドラゴンボール超でも17号のポテンシャルの高さが示されており、以前よりもパワーアップしているようだ。


セル(第一形態 人々のエキス吸収後) 4000万(基本)20億(超1-1)
人造人間16号 20億

 ピッコロと17号が戦う現場にセルが出現した。数十万人の生体エキスを糧にパワーアップを果たしたセル第一形態。通称エキスセル。アニメでは、セル超サイヤ人化説を裏付けるかのように、激しい黄金の気を噴出した。悟空、ベジータ、ピッコロ、フリーザ、コルド。以前は独立しながら入り交じっていた気の数々。それらが犠牲となった人々の怨念をまとい、セルという一個の存在へと昇華されたかのようだ。

 気を抑えた状態で64万人分の生体エキスを吸収したことで、基本値は3200万アップの4000万。※気を抑えた状態のセルの生体エキス吸収は「吸収対象の戦闘力×10」を想定。

 そして、超化による50倍アップで20億。神と融合したピッコロ(12億)の激烈光弾が直撃してもほぼノーダメージ。これだけ力の差があってはっては永久エネルギーにも意味はない。17号も醜い妖怪野郎ことセルに歯が立たず吸収される…。

 というとき、16号が戦闘を開始した。

 起動したばかりの17号は、データ的には16号より自分のほうがパワーが上だと言っていた。17号が参照したデータが誤っていたのか、それとも16号にはデータ以上の力を引き出せる戦闘モードのようなものがあったのか。ともかく、16号は17号を上回る20億のパワー値を発揮し、セルと五分と五分の戦いを展開。無から造られた完全なロボット型であるためセルに吸収される心配もない。永久エネルギー炉搭載でスタミナ面でも有利だった、のだが…。


 16号は、トランクスやセルがいた未来には存在しなかった(起動前に廃棄された?)ようだ。生みの親であるドクター・ゲロには試作型で失敗作と言われていたが、それはゲロの親心ゆえだったのかもしれない。フルカラーコミック 人造人間・セル編 3巻末の龍珠問答で鳥山明がゲロと16号に関する新情報を答えていた。ゲロにはレッドリボン軍の上級兵士だった息子(敵の銃弾を受けて戦死)がいて、16号のモデルになったという。我が子の姿を与えた特別なロボットに、強大なパワーと恐ろしい爆破装置をつけた一方、戦闘で壊したくないという願いもあった。そのため16号の性格は穏やかなものとなり、失敗作となってしまったのだという。

 「ドラゴンボール ファイターズ」のストーリーモードで、ドクター・ゲロの妻(16号のモデルとなった息子の母)がどんな人物か判明した。ドクター・ゲロの妻も科学者であり、人造人間21号は彼女の細胞をもとに生み出されたという。


セル(第二形態) 8000万(基本 最大値の約30%)40億(超1-1 17号吸収で戦闘力倍加 最大値の約30%)

 16号のパワーレーダーは「気」を持たない人造人間のパワー値を検知できる。しかし、スカウターと同じく「消された気」には反応しない。気を消したセルは17号の背後から忍び寄り、尻尾の先をラッパ状に広げて17号を丸呑みにした。セルは17号と細胞レベルの融合を果たし、第一形態から第二形態へと進化する。

 セル第二形態。タラコくちびるの通称タラコセル。中の人繋がりでアナゴセルと呼ばれることもある。カードダスでは17号吸収体となっていた。

 変身直後の戦闘力はエキスセルの倍。戦闘力40億となり、16号のパワー値を大きく突き放した。オーラの色は黄金から青紫色に変化したが(アニメ)、超サイヤ人化を継続しているものとする。また、40億の戦闘力でもセル第二形態最大値の約30%に過ぎない。軽く放ったエネルギー波で16号を停止寸前まで追い込み、強引に18号との合体を迫る。そのとき、セルは上空に凄まじい気の集中を感じた―!


天津飯
*界王拳習得済と考えた場合
600万(基本最大)6000万(10倍界王拳)3億(新気功砲 50倍界王拳相当)

*界王拳未習得と考えた場合
600万(基本最大)3000万(新気功砲)

 34歳(肉体年齢33歳)。新必殺技「新気功砲」を連発し、セル第二形態(40億)を足止めすることに成功する。原作では10発以上、アニメでは60発以上(「はっ」の掛け声だけでもZは30回以上、改は20回以上)撃っている。その戦闘力は一体どれほどのものなのだろうか? 基本値は3年前の40万の15倍で600万となり、この時点の悟飯(750万)に次ぐ。この時点の通常トランクス(500万)を上回る数値としたのは「銀河ギリギリ」へのオマージュだ。

 次に、天津飯は界王拳を覚えたか、覚えていないか。作中で天津飯が界王拳を使用した形跡はないが、天津飯の性格的に習得した可能性は捨てきれない。界王星にいた期間も約10ヶ月と長く、界王拳を習得するにはじゅうぶんな時間だろう。ここではどちらか一方に断定せず、習得した場合と習得していない場合に分けて考えたい。

 界王拳を習得できたと考えた場合。フリーザ戦時の悟空と同じく、赤いオーラを出さずに10倍界王拳までなら耐えられる肉体強度に達していたものとする。10倍界王拳使用で、フリーザ最終形態50%に匹敵する6000万の戦闘力を発揮できる。

 しかし、それでも最弱の人造人間19号(初期値 9000万)にも届かない。心臓病で弱った超サイヤ人悟空(1億2500万)に対しても次元が違うと感じてしまう天津飯。セル40億ならなおさらだが、単なる足止めならばなんとか可能かもしれない。戦闘力の差が数倍から数十倍以上あっても、不意打ちによる吹っ飛ばし攻撃は成功するのだから。例えば、戦闘力22000のドドリアを蹴り飛ばした悟飯4000、クリリン1900。その差は5.5~11.5倍以上。6000万のフリーザを蹴り飛ばしたピッコロ140万に至っては40倍以上だ。

 10倍界王拳天津飯(6000万)とセル第二形態(40億)との差は66.6...倍。不意打ちによる足止めとしても、まだ厳しい戦闘力差かもしれない。あとは、新気功砲でどれだけ戦闘力を高められるか。

 新気功砲(原作では新気巧砲と表記されたことも)。大全集や超全集の技事典には、気功砲の威力を増した技とある。厳しい修行による天津飯の能力向上に伴い可能となった攻撃とのこと。当サイトは「気の開放」習得後の「気の集中」は基本的にはできないという見解だが、気功砲は例外だ。アニメでは新気功砲を発射する時の天津飯の気は黄金に輝いていた。少々強引だが、天津飯の気が超サイヤ人レベル(50倍界王拳相当)にまで高まっていたというのはどうだ。そこから逆算すると、新気功砲による強化率は5倍となる。

 10倍界王拳と新気功砲の併用で戦闘力3億。悟空が初めて超サイヤ人に覚醒したときの倍の数値だ。セル第二形態(40億)との戦闘力差は約13倍に縮まった。これなら天津飯でもどうにかセルの足止めできそうだ?

 界王拳を習得していない(結局覚えられなかった)と考えた場合は、新気功砲で戦闘力3000万相当にアップ。セルとの差は130倍以上。こうなると不意打ち吹っ飛ばしの戦闘力差上限をそこまで引き上げるしかない。もしくは、新気功砲は戦闘力に関係なく相手を吹っ飛ばす効果があるとでも考えるしかないだろう。いずれにしても、エネルギー吸収の恐れのある19号、20号には新気功砲は使えなかった。16号、17号、18号にも倒すほどのダメージは与えられなかったはず。使いどころはまさにここしかなかったと思われる。


 ドラゴンボールオンラインの天津飯は、気功波の技術にさらなる研鑽を重ねていた。エイジ821、天津飯88歳。的確なタイミングで凝縮した気功波を放つことを旨とする「新鶴仙流」を正式に開く。その教えは後進の「鶴仙士」(地球人・気功士・マスタークラス)に引き継がれていったという。ドラゴンボール超の天津飯も道場を開いている。

 なお、「ゼノバース」では界王拳を習得したクリリンとヤムチャが対戦で使用できるが、なぜか天津飯は界王拳未修得。※ゼノバース2のクリリンとヤムチャは界王拳を覚えていない。


亀仙人 139(通常時)

 337歳。ラディッツ戦以前にはできなかった「(遠くの)気を感じる」能力を身に着けた。しかし、カメハウスから戦いの様子を感じ取ることしかできず、飛び出す天津飯を止めることもできず。次元の違いすぎる戦いに、「世界一の武天老師といわれた時代が懐かしいわい」と嘆くしかない有様だった。アニメではウミガメに「今では単なるスケベ爺さんだ」と言われたこともある。

 ところが、それから12年後にあたる『復活の「F」』ではフリーザ軍兵士を相手に大立ち回りを演じた亀仙人。フリーザ軍兵士の強さをどの程度と見積もるかにもよるが、亀仙人の戦闘力が1000以上という可能性も浮上してきた。しかも、鳥山明によれば亀仙人は「その気になりさえすれば、もともとあれぐらいは強いのです」と来たもんだ。もともと、とはどういうことだ。

18号「あのエロ爺がピッコロ大魔王と戦ったときはわざと弱く見せてたんだろうか…!」

16号「いや……そんなことをする意味は何もない……」

 その「もともと」の時期をサイヤ人編以前にまで遡って適用するのはぜひとも避けたい。亀仙人がその気になればピッコロにもラディッツにも勝てたが、その気にならなかったというのではさすがに酷すぎる。人造人間編までは戦闘力139をキープし、そこから徐々に鍛え直していったとするのがギリギリの線だろう。


セル(第二形態) 2億6000万(基本 100%)130億(超1-1 100%)

 新気功砲でエネルギーを使い果たした天津飯と、かろうじて生きていたピッコロは悟空が瞬間移動で回収。セルはふるいかけた力をいったんは収めるが、現れた新たな相手に今度は本気を出さざるを得なくなった。40億から「かなりの飛躍」を果たし、130億となった戦闘力で相手に殴りかかるセル第二形態。セル第一形態の初期値(2億6000万)の50倍となり、超サイヤ人を超えた相手に迫る。アニメでは、相手の持ち技であるギャリック砲も披露した。その相手とは…。


ベジータ 2億5500万(基本最大)
25億5000万(超1-1 気を入れてない)127億5000万(超1-1最大)
191億2500万(超サイヤ人1 第二段階* 50×1.5 通常時の75倍)
*これ以降「超サイヤ人1 第二段階」を「超1-2」とも表記。

 セルが本気を出さざるを得なかった相手とは、精神と時の部屋での修行を終えたベジータだった。16号のパワーレーダーが感知したように、ベジータの戦闘パワーはずいぶんとアップしていた。数日前の 1600万(基本最大)→8億(超1-1) から約16倍のパワーアップだ。

 地上での3年間の修行よりも、精神と時の部屋での1年の修行成果は恐ろしく大きい。ベジータ、トランクス父子は欲張って多少1年をオーバーする期間修行していたようだ。アニメのトランクスの台詞「あと23時間ぐらいは使える」を参考にすれば25時間(1年と半月)ほどと思われる。今のベジータの基本値および超1-1変身時の戦闘力は、セル第二形態にわずかに届かない程度。セル第二形態が本気を出す前(40億)の超1-1ベジータは気を入れていなかったものとする。しかし、ベジータのさらなる変身がセルを大きく突き放す。

「いきなり“なる”つもりだ父さんは…!! あれに………!!!」

 「超サイヤ人を超える」という信念と執念、苦行荒行がもたらした新たな姿。筋肉は膨れ上がり、逆立った髪はより硬く鋭く、オーラは輝きと勢いを増した。大全集や超全集などでは「超サイヤ人第二段階」と呼ばれる形態だ。当サイトでは、より明確に「超サイヤ人1 第二段階」と呼ぶことにする。

 超1-2のパワーアップ率は公式には不明。ただし、超サイヤ人1から2へのパワーアップ率(2倍)を超えることはないと思われる。よって、当サイトでは第一段階から第二段階へのパワーアップ率は、超1と超2の中間、1.5倍と定めたい。

 1.5倍は、第一段階の50倍に比べると全然大したことはない。しかし、その50倍をさらに1.5倍、つまり通常時の75倍にパワーアップできると考えればなかなか頼もしい。自ら「超(スーパー)ベジータ」を名乗るその戦闘力は191億2500万(なお、19号戦でも超ベジータを名乗っている)。本気を出したセル第二形態(130億)のギャリック砲も、こけおどしにさえならなかった。拍子抜けしたベジータは、わざとセルを逃がし完全体にさせようとする…


セル(第二形態) 100億(超1-1 ベジータ戦で消耗)
基本値 2億

 アニメでは超1-1トランクスがセル第二形態を圧倒するシーンがある。本来なら超1-1トランクスではセル第二形態に勝てないと思われるが、セルがベジータ戦で消耗していたとも考えられる。一方で、弱ったセル第二形態が超1-2トランクスの全力ラッシュを耐え凌ぐというシーンも描かれた。セルの完全体への執念が本来よりも防御力を高めていた、ということなのか。


トランクス 2億5000万(基本最大)
125億(超1-1)187億5000万(超1-2)225億(超1-3 気が入ってない)
281億2500万(超サイヤ人1 第三段階* 50×1.5×1.5  超1-1の2.25倍  通常時の112.5倍 「本当の力」)
*これ以降「超サイヤ人1 第三段階」を「超1-3」とも表記。

 地獄のような未来はもうたくさんだ。セルを完全体にしようとする父の暴挙を見逃すことができず、トランクスが立ち上がる。しかし、セルはベジータの希望どおり18号を吸収し、完全体と化してしまう。

 ベジータの評価では「オレほどではないが近い実力を持っている」とされたトランクス。クリリンはトランクスの態度からベジータを超えたことを隠していると察した。基本値および同一形態ならばベジータのほうがやや上としておきたい。この時点のトランクスの基本値は2億5000万。精神と時の部屋に入る前の超1-1と同じになったものとする。超サイヤ人を超えるというのは、単に上位の変身を開拓するだけのことではないと当サイトは考える。通常時で以前の超サイヤ人を超える。セルゲーム以降のノーマルサイヤ人はその域に達していると思われるからだ。

 トランクスは父ベジータに勝るとも劣らない素質を開花させた。さらに、超サイヤ人1 第二段階の壁を超えることにまで成功していた。しかし、その姿をベジータに見られたくないトランクスはすぐには変身しようとはしない。ファイナルフラッシュ炸裂、セル「なんちゃって」、ベジータ気絶でようやく態勢が整った。

「今しかないぞ! 今がそのとんでもねえ超サイヤ人になるときだっ!!」

 ついに変身トランクス。第二段階よりも大きく膨れ上がった筋肉、ハリネズミか剣山のように逆立った髪、稲妻のように弾けるオーラ。大全集や超全集などでは「超サイヤ人 第三段階」と呼ばれる形態だ。当サイトでは、より明確に「超サイヤ人1 第三段階」と呼ぶことにする。

 超1-3のパワーアップ率は公式には不明だが、当サイトでは超1-2のさらに1.5倍と定めたい。つまり、超1-1の2.25倍、通常時の112.5倍の戦闘力を得ることができるものとする。単純なパワーアップ率で見れば、超サイヤ人2(超1の2倍、通常時の100倍)を上回る。クリリンは変身直後の超1-3トランクスを見て「まだ気が入ってないのに恐ろしい気」と表現したほど。これこそが悟空が言った「超サイヤ人をさらに超える」ことの本当の意味だった、と。そう思い込んだトランクスは、「本当の力」を見せようとするが…。


セル(完全体) 180億(超1-1 22.5% 対超1-2ベジータ「ウォーミングアップ」)
240億(超1-1 30% 対超1-2ベジータとどめ~対超1-3トランクス)
540億(超1-3〔パワー重視型〕 30% 対超1-3トランクス)
基本値 3億6000万4億8000万

 18号を吸収し、ついに念願の完全体への進化を遂げたセル。アニメでは遥か遠くの新ナメック星にまで気が届き、ムーリ最長老に地球はおろか全宇宙の滅亡を予感させた。ドラゴンボールZのサブタイトルでは「戦闘力無限大!! セルという名の破壊神誕生」と銘打たれたほど。

 ところが16号の計測では、セルはかなり強くなったが、まだすべてにおいて超1-2ベジータ(191億2500万)のほうが上。進化直後の完全体セルは、第二形態(130億)から戦闘力を50億伸ばし180億になっただけ。約1.4倍でも、かなりといえばかなりのパワーアップだが…。

 それは完全体のウォーミングアップに過ぎなかった。アニメではクリリン渾身の気円斬(フリーザだって切り裂いた)を首筋に受けても微動だにしない。やや本気になっただけで240億となり、超1-2ベジータを圧倒(アニメではウォーミングアップの段階で互角以上に渡り合った)。いったんは超1-3トランクス(気が入っていない 225億)をも倒してみせる。しかし、トランクスはクリリンが気絶したベジータを連れ出す隙を作るためわざとやられただけ。超1-3トランクスはいよいよ気を入れ、「本当の力」281億2500万を開放する(アニメでは2回ほど気を高めるシーンがある)。その恐るべきパワーに、セルは「私をじゅうぶんに超えている」と認めた、が―!?


〔ベジータ(超1-3) 286億8750万

「パワーに頼った変身などたやすい」

 セルも超1-3のようなパワー重視の変身をしてみせた。これもまた、セルが超サイヤ人化している証拠のひとつといえるかもしれない。

 セルの戦闘力は240億の2.25倍となり、540億に。そして、トランクスは父ベジータもこの変身ができたが、あえて封印していたと思い知る。超1-3は絶大なパワーを誇るが、膨れ上がった筋肉がスピードを殺してしまうという欠点があったのだ。怒りと興奮によるパワーアップを突き詰めた結果の超1-3変身だ。偏った超パワーがもたらす昂揚感が欠点を覆い隠し、トランクスに「超サイヤ人を超えた」と錯覚させたのかもしれない。しかし、でかいパワーも相手に当たらなければ意味がない。セルはすぐに変身を解き、トランクスも戦意を喪失し超1-3を解除した。

 先ほど超1-3トランクスに対して「私をじゅうぶんに超えている」と言った完全体セル。しかし、カリン様の見立てではセルはまだ真の力を見せたわけではない。パワー重視の変身を含め、この時点では力を抑えていたと考えるのが妥当だろう。どうあがいてもトランクスには勝ち目がなかったのだが、セルはトランクスを見逃し、戦士たちに10日間の猶予を与える。セルゲームの開幕だ。


 なお、アニメではクリリンがベジータに仙豆を与えるタイミングが原作より早かった。意識を取り戻したベジータは超1-3トランクスの気を感じ取っていたはずだが、この時点では特にコメントなし。しかし、天界でベジータが戦闘時の変身にこだわるトランクスを責めていたことから、すべてわかっていたのだろう。

 超ベジータ、そして超(スーパー)トランクス。ムキムキ超1-3形態の超トランクスはムキンクスと呼ばれることも。PS2版「ドラゴンボールZ」では第二段階が『超トランクス』、第三段階が『超トランクス2』と表現されている。ドラゴンボール超では未来トランクスが再び超1-3に変身する場面があったが、なぜか髪まで伸びていた(超3とは違うのだが)。髪といえば、純粋なサイヤ人の頭髪は生後から変化しないと、精神と時の部屋から出てきたベジータ親子から判明している。ただし、切られた場合は元の長さにまで伸びる模様。また、ナッパのようにハゲることもある(ベジータも幼少期に比べて…?)。


悟空 3000万(基本最大)15億(超1-1)22億5000万(超1-2)33億7500万(超1-3)
悟飯 1500万(基本最大)7億5000万(超1-1)

 外の世界の時間にして数時間、精神と時の部屋では数ヶ月が経過しただろう。とりあえず悟空と悟飯の戦闘力は部屋に入る前の2倍アップということで話を進める。悟空の基本値は1500万から3000万に、超1-1変身で15億となり、神と融合したピッコロ(12億)を抜いた。悟飯は基本値を750万から1500万に伸ばすとともに超1-1(7億5000万)への変身を可能とし、確実に父を追いかける。超サイヤ人悟飯は、原作ではフリーザへの疑似的な怒りから、アニメでは自分の弱さへの怒りから覚醒した。それでもなお、戦うべき敵の戦闘力は遥か先の彼方にある。

 ベジータは2ヶ月(外界で4時間)ほどで超サイヤ人の限界を超えたという。悟空もすでに超1-2、そして超1-3変身を体得し、その欠点を見抜いていた。ベジータは超1-3変身を封印し、あとは納得の行くまで地力を上げてきたのだろう。

 しかし、悟空はここでベジータとは違った判断を下す。パワーとスピード、バランス的には最も優れている超1-1に徹底的に慣れること。日常的に超サイヤ人(1-1)でいることで特有の興奮状態を消し、力を引き出しやすくすること。そのうえで基本的な修行からやり直すことが、遠回りのように見えても最善の策だと―。


 ところで、アニメの悟空は精神と時の部屋での修行に入る前、カメハウスでチチを抱き寄せるシーンがあった。画面には映らなかったが、そのシーンは「約束のキス」というタイトルでフィギュア化されている。しかし、ドラゴンボール超の悟空はキスを知らない、したことがないということになってしまった…。





-セルゲーム- 紫数字:完全推定数値

デンデ 400

 新たな地球の神。ドラゴンボールを使えるからという理由で神様を決めてしまってもいいものなのか? ピッコロが認めたということは、先代の神の了承を得たも同然ということなのだろうか。ミスター・ポポも喜んでるし、なんの問題もなさそうではあるが…。

 さて、約4年ぶりに地球を訪れたデンデ。現・最長老ムーリも太鼓判を押す優秀な龍族だ。前・最長老に開放してもらったナメック星人としての潜在能力は順調に伸びているだろう。戦闘力は倍程度には成長しているものとした(ナメック星での潜在開放で 2→200)。まだまだ子供だが、ナメック星人の大人の戦闘力(500~2500)の入り口には立っていると考えたい。悟空とともに界王星(重力10倍)に移動したときも、特に体が重そうな様子は見せなかった(わずか数秒の滞在だったが)。


ミスター・サタン(マーク) 6.66

 格闘技世界チャンピオン。セルいわく「本物のバカ」、ベジータいわく「バカの世界チャンピオン」。

 DRAGON BALL 超エキサイティングガイド キャラクター編によれば、ミスター・サタンはリングネーム。本名は悪魔のアナグラムでマークという。悪魔→あくま→まあく→マーク。生まれ年はクリリンと同じであり、悟空の1歳上。セルゲーム開幕時で31歳と意外に若い。娘のビーデルはこのとき10歳で悟飯と同い年。亡き妻と結婚した時期も悟空と同じくらいの20歳前後だろう。フルカラーコミック 魔人ブウ編 6巻末の「鳥山先生ウラ話SPECIAL」によれば奥さんはミゲルという名の美人歌手。ミゲルは新約聖書における天使長ミカエルに由来する名前で、結婚当時は天使と悪魔の結婚と騒がれたという。

 人造人間が出現する5日前、第24回天下一武道会が開催されていた。悟空とマジュニア(ピッコロ)が戦った第23回大会から実に11年後ぶりの復活だ。ミスター・サタンは天下一の称号を勝ち取り、格闘技の世界チャンピオンとして人生の絶頂期を迎える。しかし、その戦闘力は悟空たちに比べれば常人の範囲内に収まってしまう。Dragonball Forever―ドラゴンボール完全版公式ガイドによればボブ・サップほど強くはないとか。常人(戦闘力 5)の倍の戦闘力(10)だった初登場時の悟空にも勝つのは難しいだろう。そんなサタンには、獣の数字とも悪魔の数字とも言われる「666」を当てはめ、戦闘力6.66の数値を捧げよう。常人のレベル内ならば、戦闘力が7近くもあれば技術と運次第で天下を勝ち取れるはずだ。特にサタンの運のよさはミラクルの連続で、その点は常人離れしている。

 また、最強ジャンプ2014年6月号の「鳥山明先生 魔人ブウ編(秘)一問一答! 12(トゥエルブウ)のナゾ」にはこうある。サタン(本名マーク)は若いころ「サタンの城」という格闘技道場に通っていた。かなりの実力と、対戦相手が食中毒になるといった強運の持ち主で、たちまち世界チャンピオンに登り詰める。そして、道場の名前から「ミスター・サタン」と呼ばれるようになった。ある日、遠征先の南の都の酒場でサタンと師範は偶然、桃白白と居合わせる。何も知らずに桃白白の髪型をからかった結果、師範は殺され、サタンも重傷を負ってしまった。それ以来、サタンは得体の知れない相手やメチャメチャ強そうな相手との戦いを避けるようになったという。

 …その割にはセルを侮りまくっていたのはどういうわけだろう。天下一武道会で優勝し、舞い上がっていたのか。

 アニメにはZ、改ともにオリジナルキャラクターとしてサタンの弟子が登場し、セルに戦いを挑んだ。Zのオリジナル部分を極力カットしたのが改だが、サタンの弟子は出ずっぱりでカットできなかったようだ。サタンの一番弟子で、サタンに次ぐパワーを誇る「剛力のピロシキ」。サタンの二番弟子で、サタンに次ぐスピードを誇る「はやてのカロニー」。ピロシキの怪力は象20頭に匹敵し、牛を一撃で倒すという。カロニーは空中殺法の達人で空を飛ぶツバメさえ捕まえるという。多少誇張はあるとしても、常人レベルの格闘技会では金メダル級の猛者たちだ。が、ピロシキとカロニーはセルに触れることさえできず、気で吹っ飛ばされた。ピロシキ、カロニーおよびマネージャーのピーザについては「その他オリジナルキャラクター」も参照のこと。


悟空 12億(基本最大)150億(超1-4 対セル「準備運動」)
600億(超サイヤ人1 フルパワー〔第四段階〕*
100億
(超1-4 セルとの戦いで疲労 ギブアップ)
*これ以降「超サイヤ人1 フルパワー(第四段階)」を「超1-4」とも表記。

 精神と時の部屋での修行により、超サイヤ人の壁を超えた超悟空。バランスのいい超サイヤ人1 第一段階をベースに特有の興奮状態を取り去り、自然体でいられるようになった姿。その結果、超1-2ベジータや超1-3トランクスを超える驚異的な戦闘力を無理なく引き出せるようになった。しかも、悟空、悟飯父子は、外界の時間で約21時間、10ヶ月半ほどで修行を切り上げている。日常レベルで超サイヤ人状態を保つことができ、車の運転といった細やかな作業も可能。アニメではZ、改ともにクリリンに石を投げられて「いくら超サイヤ人だって痛ぇもんは痛ぇんだ」と言うシーンがあった。Zではパワーが有り余っていて、持った食器がすぐ割れるというシーンもあったが、改ではカットされた。

 大全集では「超サイヤ人 フルパワー」、映画のフィルムコミックでは「超サイヤ人 第四段階」と呼ばれる形態。当サイトではより明確に「超サイヤ人1 フルパワー(第四段階)」と呼ぶことにする。第四段階とはいうが、基本は第一段階のため、通常時からのパワーアップ率は50倍のままだと考えられる。ただし、超サイヤ人状態での戦闘力が伸びたことで、通常時もそのぶん強くなったはずはずだ。悟空の基本最大戦闘力は12億となり、神と融合したピッコロ、17号に並ぶ。これなら、ブウ編の武道会で超サイヤ人なしルールでも18号(9億)に後れを取ることはないだろう。ここでは、神と神やDB超でビルスがノーマル悟空ではフリーザに勝てそうもないと言ったのは勘違いだとしておきたい。格闘技世界チャンピオンのサタンからしても、一見すると悟空は素人の構えや体つきになるらしい。

 超1-4となった悟空の最大戦闘力は600億。その半分の気(300億)でベジータ(超1-2:191億2500万 超1-3:286億8750万)が突き放されたと感じたほど。このクラスの戦闘力になると、フルパワー状態ともなれば、かめはめ波が惑星破壊砲と化すようだ。セルゲーム以降、悟空たちの戦闘力はさらに未知の領域へ突入する。超完全体セルで太陽系破壊、伝説の超サイヤ人ブロリーで銀河破壊、悟飯吸収ブウで宇宙破壊。破壊神ビルスや超サイヤ人ゴッド級になると激突の波動数回で宇宙が崩壊してしまう。それでも簡単に惑星が吹き飛ばないのは、悟空たちの気による破壊範囲の絞込み技術が向上しているから。と、考えざるを得ないだろう(もしくは地球もパワーアップしているか)。

 なお、超1-4から超1-2、超1-3の逆(?)変身は、いちおう可能と思われる。あの世一武道会で悟空見せたスーパー界王拳は、超全集の技事典によれば超1-2と界王拳の合わせ技。ドラゴンボール超では超2になれる未来トランクスが超1-3変身を相手の油断を誘う作戦として利用している。

 では、なぜセルゲーム時の悟空は超1-2にならなかったのか。超1-2までならスピードはそれほど殺されないため、変身してもよかったのではないのか。しかし、そうしなかったということは、それなりの理由があったということになるだろうか。考えられる可能性としては、超1-1から超1-4に移行すると超1-2変身は負担が増大するといったところか。あの世でたった一度だけ使ったスーパー界王拳のように、超1-4から超1-2への逆変身は死ぬほどつらい反動がある…?


悟飯 15億(基本最大)
750億(超1-4)

 精神と時の部屋での修行により、超サイヤ人の壁を超えた超悟飯。アニメでは悟空の「ゴハンの出番」という言葉をサタンが勘違いし、「弁当売りの少年」というあだ名がついた。また、原作ではこのとき悟飯がカリンに対して「はじめまして」と挨拶しているが、実は初対面ではない。ベジータ戦直後の飛行艇や病院で顔を合わせているため、アニメではZ、改ともに「お久しぶりです」と挨拶した。Zでは、悟飯とカリンは人造人間編に入る前の魔凶星編や映画「とびっきりの最強対最強」でも出会っている。

 この時点では基本的には悟空のほうが上という意見もあるが、原作の描写に従うなら悟飯が上だろう。悟飯は、本気の超1-4悟空(600億)とセルの戦いを、悟空が手を抜いているように感じた。それを素直に受け取れば、悟空にとってのフルパワーが、悟飯にとっては手加減したレベルだということになる。超1-4悟飯の時点でピッコロは「実力はナンバーワン」と認め、原作サブタイトルでも「悟空を超えた戦士」となっている。悟空によれば、深く深く封じ込まれ眠っていた力が、精神と時の部屋で目覚めはじめたという悟飯。基本値で15億、超1-4では750億もの「巨大な戦闘力」(ベジータの言)を発揮できる。スピードだけとはいえセルを本気にさせ、死んだと思われるほどの一撃にもほぼノーダメージで耐えた。セルに尻餅をつかせる威力のキックも放った。

 しかし、優しい心根が邪魔をしてセルと本気で戦うことができない。父・悟空が自分に怒りのパワーを期待しているのはわかっていた。しかし、それを自覚してしまうと、ますます怒りから遠ざかってしまう…。


セルジュニア 100万(対ヤムチャ お遊び)8億(基本最大)400億(超1-1 最大)

 完全体セルが悟飯に秘めた怒りのパワーを引き出そうと、尻尾から生み出した分身にして子供。大全集の技事典には、セルジュニア出産はピッコロ(ナメック星人)の子孫を生み出す能力の発展型とある。なお、大全集の種族の項によれば、戦士型のナメック星人は子孫を残せないとなっている。しかし、初代ピッコロの分身(子供)であり、神と融合したピッコロ(マジュニア)は龍族の能力を一部受け継いでいると思われる。

 生み出されたセルジュニアは7体。それぞれ、悟空、ベジータ、トランクス、ピッコロ、天津飯、クリリン、ヤムチャに襲いかかる。小型のセルといった感じのセルジュニアだが、その強さはベジータ、トランクスでやっと互角。ピッコロはどうにか応戦できたが、セルとの戦いで疲労した悟空は立っていられない。アニメでは天津飯とヤムチャが協力して悟空を守る場面あったが、結局は敵わない。

 アニメのセルジュニアは、ベジータのファイナルフラッシュを真正面から弾き返してみせた。同じくアニメでは、誘導気円斬、かめはめ波、魔貫光殺砲、気功砲を使ってみせた。しかし、ピッコロの再生能力までは受け継いでいないのだろうか。セルは上半身を吹き飛ばされても再生できたが、セルジュニアは頭部破壊や胴体切断で死亡。原作ではセルジュニアの死体が残ったが、アニメでは死んだ瞬間粉々に爆発して消滅した。しかも、ドラゴンボールZではなぜか1体増えて合計8体のセルジュニアが倒されている。ドラゴンボール改では、超2悟飯に倒されたセルジュニアの数は7体に修正された。

 ここでは、セルジュニアの最大戦闘力を完全体セル(超1-1)の半分としておく。また、セルジュニアも超サイヤ人化しているものとする(ヤムチャ、クリリン、天津飯にはノーマルで手加減)。「スカウターバトル体感かめはめ波」では完全体セル9億に対し、セルジュニア4665万5274および7000万に設定されている。


ベジータ 8億(基本最大)400億(超1-4未完成)
トランクス 7億8000万(基本最大)390億(超1-4未完成)

 ベジータは完全体セルに受けた傷を仙豆で回復したが、パワーアップはしたかどうかは不明。フリーザ編では大活躍だった瀕死からの回復パワーアップも、人造人間編ではセルを除き鳴りを潜めている。漫画版ドラゴンボール超では、極限まで鍛え上げた状態では復活パワーアップはおそらくできないと未来トランクスが言った。悟空たちは今後も戦闘力を伸ばしていくことになるが、章ごとに限界の壁(レベル上限)が立ちはだかっているようにも思われる。このセル編では、人造人間出現までの3年間の修行、精神と時の部屋での修行で上限を突破して成長してきた感じだ。そこに回復パワーアップが入り込む余地はなかったのかもしれない。
 
 完全体セルに敗れたベジータとトランクスは、今度は別々に精神と時の部屋に入り、再び1年近く修行した。原作、アニメともに、セルジュニア戦のベジータ、トランクスの筋肉がやや肥大(超1-2化)しているようにも見える。しかし、原作でのオーラの形状や、その後の超化状況を見る限り、この時点での2人は超1-4としたほうがいいだろう。

 ただし、悟空、悟飯ほどの境地には達しておらず、差が大きく開いている。未完成の超1-4といったところか。ベジータは基本値で8億、超1-4で400億。カリン塔で感じた超1-4悟空の気(半分 300億)を追い抜きはした。トランクスは基本値で7億8000万、超1-4で390億。ベジータとほとんど互角と言っていい。そして、同じく互角の戦闘力を持つセルジュニア(400億)にベジータ父子は苦戦を免れなかった。セルジュニアと一対一の戦いなら勝機はあったかもしれないが、残る5体に囲まれたらひとたまりもなかっただろう。

 なお、アニメでは復活したセルにトランクスが殺された際のベジータの反応がZと改で異なっている。

Zベジータ「奴を、セルを倒すのは下級戦士のカカロットでもその息子でもない。この…このオレ様なんだ!」

改ベジータ「カタキを討つのはカカロットの息子なんかじゃない。トランクスの父親、このオレだーっ!」

 Zではベジータのサイヤ人の王子としての一面が、改ではトランクスの父親としての一面が強調されている。


ピッコロ 200億(重り)250億(重りを外す)

 精神と時の部屋で修行したピッコロ。悟空いわく「レベルそのものが上がった(がセルには通用しない)」。アニメのトランクスいわく「ピッコロさんのパワーが桁違いに上がっている」。アニメのベジータいわく「なんだ貴様。何も変わっちゃいないな。昼寝でもしていやがったのか」。

 ベジータの台詞は単なる皮肉だとして、悟空の言うようにセルには通用しないが、かなり強くなっていそうだ。トランクスの反応から、セルゲーム前の超1-2ベジータ(191億2500万)や超1-2トランクス(187億5000万)は上回ったものとする。神との融合で得た超ナメック星人の戦闘力(12億)は、文字どおり桁違いの20倍超の250億にまでアップ。ベジータ、トランクスには再び逆転されたが、セルジュニア(400億)と戦い最後まで立っていられる力は得た。アニメでは超2悟飯の親子かめはめ波を援護するためにセルを攻撃している。


天津飯 600万(基本最大)〔→6000万(10倍界王拳)
クリリン 130万
ヤムチャ 60万

 ストイックに自分を鍛え続ける天津飯だが、今回ばかりは無理と精神と時の部屋での修行は辞退。クリリンとヤムチャはもとよりセルゲームを観戦するだけのつもりだったので修行も何もない。3人ともセルゲーム前から戦闘力は変わらず、セルジュニアには手も足も出なかった。アニメでは超2悟飯の親子かめはめ波を援護するためにセルを攻撃している。

天津飯「このまま何もしないで死を待つというのはオレの性分じゃないんでな」

ヤムチャ「それが武道家の誇り、と言いたいんだろ?」

天津飯「そうだ。ダメでもともと。それでも前向きでいたい」

クリリン「ったく。命知らずばっかりなんだから。(18号。最後にもう一度会えて嬉しかったぜ)」


人造人間16号(カプセルコープレーション改) 20億〔→400億(自爆モード)

 セル第二形態に受けた損傷をカプセルコーポレーションで修理してもらった人造人間16号。左胸のレッドリボン軍のマークは、カプセルコーポレーションのロゴで上書きされている。セルジュニア誕生前、16号は自爆してセルを道連れにしようとした。しかし、爆弾はブリーフ博士とブルマが撤去済み。セルのエネルギー波でバラバラに破壊されてしまう。残った頭部も無惨に踏み潰されるが、悟飯が超サイヤ人2へと覚醒するきっかけとなった。

 アニメでは、セルが16号を振りほどこうともがくシーンがある。ドラゴンボールでは、背後からの拘束は格上にも通用する戦術ではある。例1:ラディッツ(1500)を羽交い絞めにした悟空(416)。互いにダメージがある状態だったので条件は同じだろう。例2:神と融合したピッコロ(9億5000万)を背後から拘束したセル第一形態(3億)。

 しかし、16号とセルでは力の差がありすぎる。もしかすると、自爆モードに入った16号は爆弾の威力分、パワーが増すのかもしれない。爆弾の威力は、超1-4悟空の瞬間移動かめはめ波(600億)と超1-2ベジータのファイナルフラッシュ(約200億)の中間としておく。瞬間移動かめはめ波もファイナルフラッシュも、無防備なセルの半身を吹っ飛ばすにはじゅうぶんな威力だった。背後から密着した状態で、戦闘力400億相当の自爆を受ければセルもただでは済むまい。一方で、セル自身が言ったように、セルが爆弾ごときで死ぬとは思えない。結局は耐えて宇宙空間で生存、再生した可能性が高い。

 「悟空抹殺」にこだわる以外は、自然を愛する心優しい人造人間だった16号。その意味で「試作品の失敗作」であるとともに、地球を滅ぼす力も併せ持っていた悲しき兵器。ゲロの息子の生き写しという姿を与えられた複雑な背景の持ち主でもあった(フルカラーコミック 人造人間・セル編 3)。

 戦いのあと、17号は「セルに殺された人たちを生き返らせる」という願いにより蘇ることができた。16号は完全なロボットのため復活できなかったのか、残念ながら音沙汰はない。なお、セルに島を破壊された人たちは、そのまま生き返っては溺れ死んでしまう可能性がある。神龍が融通を利かせて島を元通りにしてくれたのなら、16号が蘇っていてもおかしくはないだろう。鳥山明によれば、人造人間8号(ハッチャン)も完全なロボット型だ(フルカラーコミック 人造人間・セル編 2)。それでもブウの人類絶滅攻撃、地球破壊からポルンガの力で復活できた(アニメのハッチャンは人間ベース)。「ドラゴンボールZ Sparking! METEOR」では、16号がハッチャン(8号)と戦うIFストーリー「心優しき人造人間編」がある。


セル(完全体) 150億(超1-1 18.75% 対超1-4悟空「準備運動」)
600億(超1-1 75% 対超1-4悟空フルパワー)
400億(超1-1 悟空との戦いで多少消耗 仙豆で回復)
800億(超1-1 100% スピードだけは本気~対超2悟飯)
1200億(超1-2 筋肥大なしの「恐ろしい真のパワー」 対超2悟飯 2発でKO)
1800億(超1-3〔パワー重視型〕 怒りに我を忘れ変身 顔の輪郭まで変わる巨大化)
130億(18号を吐き出し第二形態に退化 超1-1)
390億(第二形態・自爆形態)
基本値 3億(18.75%)12億(75%)16億(100%)2億6000万(第二形態)

 完全体セルの超1-1フルパワー(100%)は800億。さらに、「恐ろしい真のパワー」(最大1200億)を隠し持っていたものとする(オーラの形状は超1-2。しかし筋肥大なし)。アニメでは、第二形態の青紫色のオーラから、再び超サイヤ人のような黄金のオーラを放つようになった。また、アニメでは「完全無欠の究極パワー」「無限大パーフェクトパワー」を自称している。

 まずは超1-4悟空との準備運動。互いに150億。悟空はフルパワーの25%。セルはフルパワーの18.75%。続いて超1-4悟空のフルパワー(600億)に対抗すべく、セルは75%の力を開放し同レベルへ。アニメでは天津飯の「四身の拳」(戦闘力は1/4にならない)や、フリーザの誘導気円斬(デスソーサー)も披露した。見かけの戦闘力上は互角でも、片や全力、片や余力残し。悟空は100億にまで体力を落としたが、セルは400億は保っていたとしたい。悟空が仙豆で600億に回復しても、セルが残った気で超1-2を全開にすれば800億となって優位を保てる計算だ。その力関係ならば、セルが望む「さらに素晴らしい試合」が展開したことだろう。

 しかし、悟空は降参し、悟飯を次のセルの対戦相手に指名。そのうえ、フェアな戦いを望む悟空は、セルに仙豆を与えて完全回復させてしまう。完全体超1-1のフルパワー(800億)と超1-4悟飯フルパワー(750億)とは僅差。セルはスピードだけだが本気となり、尻餅をつかせられる反撃にも遭っている。悟飯が戦いをためらわなければ、そのままでもセルの満足のいく戦いができたかもしれない。悟空が思う「セルが体験する本当の恐怖」が実現せずに済んだかもしれない。

 相手の本気を引き出したうえで倒そうとするサイヤ人の悪い癖が出たのだろうか。超サイヤ人2へと覚醒した悟飯に、セルは「恐ろしい真のパワー」を開放するも、たった2発の超鉄拳でノックアウト寸前。怒りに我を忘れ、パワーに傾倒した超1-3変身で1800億にパワーアップするも、筋肥大のためスピードが伴わない。セルは悟飯から頭部への激しい蹴りを受け、ショックで18号を吐き出し第二形態(130億)へと退化。自爆して地球もろとも悟飯たちを道連れにしようとするが、悟空の瞬間移動に阻止される。

 第二セルの自爆形態は、とりあえず16号の自爆モード(400億)と同程度としておく。アニメの第二セルは青紫のオーラだったが、自爆形態では超サイヤ人のような黄金のオーラだ。超2悟飯ならばセルの自爆にも耐えられるだろうが、地球は粉々、宇宙空間に放り出されて結局は助からない。超1-4悟空(600億)もその気になれば生き残れたかもしれないが、セルの自爆時は気を入れていなかった。

「オラがいねえほうが地球は平和だって気がすんだ」

 ゲロが人造人間の研究を重ねたのも、元はと言えばレッドリボン軍を壊滅させた悟空に復讐するため。悟空(と界王様とバブルス、とアニメではグレゴリーも)の死とともに人造人間との戦いは終焉を迎えた、かのように見えたが…。


セル(超完全体) 16億(基本)800億(超1-4)1600億(超2)
悟飯(超サイヤ人2*) 1500億(超1の2倍=通常時の100倍)
3000億(怒りパワーによるさらなる倍加=潜在能力爆発)
*これ以降「超サイヤ人2」を「超2」とも表記。

 セルは生きていた。運よく残った頭部の「核」から全身を再生し、サイヤ人の特性である回復パワーアップをも果たしていた。18号抜きで完全体として復活し、超2悟飯を脅かす強さを身に着けた。通称、復活セル。より完璧なる恐怖、超完全体セル(パーフェクトセル)のご帰還だ。ゼノバースでは「完全体フルパワー」と呼ばれている。なお、セルは悟空の瞬間移動かめはめ波で頭部もろとも上半身を吹き飛ばされても再生できた。核は体内を自由に移動可能、下半身に予備の核がある、などの説があるが、真相は謎に包まれたままだ。

 超サイヤ人2。穏やかな心を持ちながら激しい怒りによって、超サイヤ人の中からさらに超サイヤ人を呼び起こした姿。超サイヤ人1でもあまり逆立たなかった悟飯の髪が、怒髪天を衝いている。オーラは激しくスパークし、超1-4で取り去った興奮状態が戻ってきて好戦的になった。

 超2のパワーアップ率は、超1-4(50倍)の2倍、通常時の100倍(超エキサイティングガイド ストーリー編)。単純なアップ率なら超1-3(超1-1の2.25倍。通常時の112.5倍。推定)のほうが上かもしれない。しかし、パワーとスピード、あらゆる面でバランスよく強化されている。GTパーフェクトファイルVol.1では、超2は超1ほど飛躍的なアップではないと書かれている。たしかに超1の50倍に比べれば、2倍というのは微々たるものだ。が、超1-4に到達する過程も含めて超2化の一環と捉えれば、やはり侮れないパワーアップだろう。

「ただの完全体ではない。孫悟飯のように遥かにパワーアップしていたのだ」

 セルも超サイヤ人化していると考える場合、超完全体は“悟飯のように”超2化を体得した姿とできる。超完全体セルは、超2変身(+超1-4化)を除けば復活する前と基本値は変わってないものとする。そう考えると、セルの復活はサイヤ人の回復パワーアップとは少し性質が違うようにも思える。以前のセルはピッコロ同様、失った部位を再生することはできても体力までは回復できなかった。しかし、復活したセルの体力は全快している(ように見える)。これはもはやセル独特の「核からの緊急再生」といえる能力かもしれない。

 さて、超2悟飯と超完全体セルの力関係はどうなっているだろうか。

 「Dragonball Z 孫悟空伝説 テレビアニメ完全ガイド」では、セルは悟飯を上回ったと書かれている。実際、悟飯はセルのエネルギー波からベジータをかばった際に左腕を負傷し、気が半分以下に下がってしまった。一方で、悟飯はその半分の気を爆発させた親子かめはめ波でセルを完全に消し去ってもいる。戦闘力考察的に、これをどう説明したのものか。

 以下に当サイトの考え方を示す。

 基本値の差で、同じ超2でも悟飯 1500億、セル 1600億とセルのほうがやや有利。しかし、悟飯はただの超2ではなく、怒りパワーが上乗せされた特殊な超2だと考えたらどうだ。漫画版ドラゴンボール超の未来トランクスも、超2のまま超3レベルに戦闘力を高められる特殊な超2変身を身に着けている。アニメ版DB超の超2(?)ベジータに至っては、ブルマを殴られた怒りからビルスの1割に届く超パワーアップを果たした。悟飯も怒りによって超2変身のさらに2倍の力を引き出していたとすれば、セルに対する過剰な余裕も説明がつくのではないか。常態では超2の基本パワーで、状況に応じて瞬間的に最大2倍に引き上げる戦闘スタイルだったと想定したい。もしも悟飯が万全な状態だった場合、怒りパワーの上乗せで復活セルにも楽勝だった。しかし、ベジータをかばった際はただの超2だったため、大ダメージを負ってしまったというわけだ。


太陽系破壊かめはめ波 1600億

「すでに地球どころか太陽系すべてが吹きとぶほどの気力が溜まっているぞ!!!!」

 すべてを闇にしようと、超完全体セルが言い放った。太陽系破壊。単なるハッタリという可能性もあるが、これまでのインフレを考慮すればじゅうぶんな威力だろう。アニメでは悟飯吸収ブウで宇宙破壊可能(次元崩壊)という域にまで達している。


親子かめはめ波
*あの世から悟空のパワーが加わっていたと考えた場合。
1300億(超2悟飯半分以下の気+超1-4悟空の支援 700億+600億)2000億(無意識に抑えていた怒りパワーを開放 +700億)

*悟飯単独のパワーだったと考えた場合。
1400億(超2悟飯半分以下の気×怒りパワー 700億×2)1800億(無意識に抑えていた気を爆発 +200億×2)

 いったんは諦めかけた悟飯だが、あの世からの悟空の呼びかけで奮起。奇跡の親子かめはめ波が、超完全体セル(1600億)の太陽系破壊かめはめ波と拮抗する。苦しい孫親子、余裕のセルだったが、ベジータのエネルギー波がセルの注意をそらした一瞬のこと。悟空の合図とともにすべての力を爆発させた悟飯がセルを完全に消し去った。

 半分以下にまで気が下がった悟飯がどのようにしてセルのパワーを上回ったのか。悟空の存在が精神的支えとなり悟飯の力を引き出したのか、それとも本当に悟空の力も加わっていたのか。ここでは両方の可能性を検証したい。

・あの世から悟空のパワーが加わっていたと考えた場合。
 アニメの悟飯は親子かめはめ波のことを振り返り、こう言っていた。「ちゃんとお父さんの気を感じたし、お父さんのにおいもした。僕はセルと戦っている間、ずっとお父さんと一緒だったんだよ」。悟飯の背後に現れた悟空の姿は単なるイメージではなく、実際に悟飯に力を貸していたと考えることはできないだろうか。例えば、界王様の強力な通信能力を利用して、悟空が現世に力を伝えることができたというのはどうだろう。バビディが通信能力に「支配の念」や「破壊の念」を乗せることができたのと同じだと考えればいい。その場合、悟飯は左腕を負傷したことで精神的ショックを受け、怒りパワーの上乗せを一時的に失ったものとする。悟飯に残されたのは、超2基本の半分以下の気(700億)。そこに悟空のあの世からの支援(超1-4 600億)を受け、なんとか1300億のエネルギーを得る。原作の悟空は通常状態での援護だったが、アニメでは超サイヤ人に変身していた。最後は無意識に抑えていた潜在能力(怒りパワー)を開放し、700億プラスの2000億。セルの太陽系破壊かめはめ波(1600億)を押し返したという流れだ。

・悟飯の背後に現れた悟空の姿は単なるイメージに過ぎず、悟飯単独のパワーだったと考えた場合。
 悟飯の気が半分以下に下がったというのも精神的動揺から来る思い込み。実は半分以上の気が残っており、怒りパワーの上乗せも失われてはいなかった。数値で言えば、残った気を爆発させて1800億となり、セルの1600億を上回る。しかし、悟空の言ったとおり悟飯は地球へのダメージを恐れて無意識のうちに力をセーブ。初めは半分以下の1400億で太陽系破壊かめはめ波に対抗していたという流れだ。

 「超究極武闘伝」ストーリーモードの悟空編では、界王の許可を得て一時的に悟空が現世に帰還して悟飯に力を貸す。


神龍 286

 デンデが先代の神のドラゴンボールを継承し、復活させた神龍。戦闘力(あるとした場合)は、先代の神(戦闘力 280 推定)と旧神龍(推定 200)の割合から算出。デンデの調節によって叶えられる願いの数が増えたが、2つか3つか解釈が分かれている。大全集や超全集の神龍の項(キャラクター事典)にはこうある。

・(一度に大勢の)死人の復活を願う場合は2つまで、それ以外の願いは最高3つまで叶うようになった。

 魔人ブウ編では原作もアニメもそのようになっている。しかし、この時点ではアニメのほうは叶えられる願いが初めから2つだと神龍が発言(原作の神龍は願いの数に言及なし)。映画『復活の「F」』では2つ、ドラゴンボール超のフリーザ復活編以降は3つ。神と神およびDB超のビルス編では1つだけ願いを叶えて神龍が消えてしまうなど、設定が混乱している。
 
 また、この時点では以前の地球のDB同様、一度死んで生き返った人間は二度と復活できない。その後の調節でパワーアップ版ポルンガ同様、一度に何人でも、何度死んでいても生き返らせることが可能となった模様。※「龍拳爆発」、『復活の「F」』、GTで生き返った人々の多くはすでにブウに一度殺されているため。



-もう一つの結末- 紫数字:完全推定数値

人造人間17号(未来) 4億
人造人間18号(未来) 3億

トランクス 7億8000万(基本最大)390億(超1-4)

 悟空と悟飯が歴史を変えた。エイジ767。人造人間がもたらす地獄の未来は幻と消えたのだ。セルに殺されたトランクスもドラゴンボールで生き返り、エイジ785に無事帰還。こちらの未来も平和にすべく、早速行動を起こすトランクス。

 未来の人造人間17号と18号は、現代の17号(12億)、18号(9億)に比べてパワー値が低い。反対に、残忍さではこちらの17号、18号のほうが遥かに上。このままのさばらせておくわけにはいかない。精神と時の部屋でパワーアップした今のトランクスならば、超サイヤ人に変身しなくても17号、18号は倒せるだろう。しかし、トランクスに容赦はなく、超1-4の50倍パワーで跡形もなく、17号、18号を消し飛ばした。


セル(第一形態) 520万(基本 初期値)2億6000万(超1-1 初期値)
トランクス 12億(基本最大)600億(超1-4)

 3年後、エイジ788。トランクスは人造人間を倒せたという報告をしに過去へ飛ぼうとする。そこへ、17号、18号を求めてタイムマシンを奪おうとするセルが現れた。悟飯が倒したセルは、自分のいた次元のトランクスを殺してそれを実行した。しかし、歴史は繰り返さない。繰り返させない。

 22歳(精神と時の部屋を含めると24歳)に成長したトランクス。修行を怠ることなく戦闘力も成長させていただろう。セルゲーム時の悟空に並ぶ強さは身に着けたものとする。超サイヤ人にならなくともセルを倒せるだろうが、トランクスはセルの細胞一片も残さないつもりだ。基本値の12億でセルを西の都から弾き出し、超1-4変身の600億で戦闘態勢に入る。そして、ドーム状に広げた気から特大のエネルギー波を放ち、セルを完全に消し去った。

 現代に現れたセルの一人称は「私」で落ち着いた雰囲気があったが、こちらのセルの一人称は「オレ」「オレ様」と態度がデカい。また、現代に現れたセルは自分が17号、18号より弱いと自覚していたが、こちらのセルは自分のほうが上だと思っている様子。とりあえず、こちらのセルの戦闘力は、別の未来から現代に飛んだセルの初期値と同じとしておく。

 ところで、トランクスはなぜ3年もの間セルを放っておいたのだろうか? 研究所の地下入り口が見つからなかったのか?? ドラゴンボールZでは地上に現れたセルが人々のエキスを吸収して回る場面も描かれた(改ではカットされた)。エキス吸収によって未来の17号(4億)以上にパワーアップしていた可能性もあるにはあるが。未来の全人口は数万と少なく、現代で数十万人を犠牲に20億までパワーアップしたセルには及ばない。

 なお、ドラゴンボール改のテレビ本放送時は都合により、トランクスが未来に発つ場面で終了となっている。当初は第98話で「もう一つの結末」を放映する予定だったが、第97話が最終回となってしまった。幻の第98話は「ドラゴンボール改 人造人間・セル編 15 [DVD] 」に番外編として収録。ドラゴンボール改 第98話〔番外編〕のサブタイトルは「未来に平和を! 悟空の魂よ永遠に」。Zではもともと1話にまとめられていたものがさらに短縮され、新たにダイジェスト版「あの世一武道会編」が追加された。

 通称「未来トランクス」(さらに略してミランクスと呼ばれることも)。ゲーム「ドラゴンボールZ2」「Z3」「インフィニットワールド」では超2変身スキルを身に着けることもできる。そして、要注目は「ドラゴンボールZ 真武道会2」のメインモード「トランクス・アナザーロード」。この“もう一つの結末”の数年後の世界が、魔人ブウ編と融合し壮大なIFストーリーが展開された。


 つらい未来を生きてきたトランクス。そしてブルマたちにやっと真の平和が訪れた。その平和は今後も大切にされていくことだろう。トランクスがいる限り…

 しかし、ドラゴンボール超で事態は急変する。

 エイジ79X 魔導師バビディ出現 トランクスは界王神と協力し魔人ブウ復活を阻止

 エイジ795 ゴクウブラック出現 地獄の未来再び

 エイジ796 トランクスは17年前の過去、エイジ779の悟空たちに助けを求め―



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