ハリウッド版 DRAGONBALL EVOLUTION 戦闘力

ドラゴンボール EVOLUTION [Blu-ray]



 -概要-

 ドラゴンボール初の実写映画化にして、劇場版ドラゴンボール通算18作目となる作品。ハリウッド版。2009年4月10日の全米公開に先駆け、同年3月13日より日本で先行公開された。PSP用「ドラゴンボール エヴォリューション」としてゲーム化された他、小説1巻とストーリーブック3巻が刊行(「小説版DBE」「ストーリーブック 1巻 四星球編」「SB 2巻 冒険編」「SB 3巻 死闘編」)。ドラゴンボールの小説が出るのもこれが初となる(最初で最後かもしれない)。

 高校生(18歳)の悟空とチチ、2000年以上の時を生きるピッコロ大魔王。金髪ランチさんのようにワイルド&タフなブルマに、機械工具を駆使するヤムチャ。若くてそんなにHじゃない亀仙人、マイはピラフ一味ではなくピッコロ直属でしかもかなりの使い手。原作本編とは異なる属性を備えたDBキャラクターたちが、『新ドラゴンボール』の世界に挑む!

 往年のファンにはあまり評判のよくないこのハリウッド版だが、設定には興味深いものがある。DB初期の世界観に、魔人ブウ(ハイスクール)編とGT「悟空外伝」がミックスされたような。ハリウッド版悟空の人物像には、青年悟飯+悟空Jr.という不思議な印象が感じられるのだ。悟空Jr.から始まった新たなドラゴンボール伝説の一端が、このハリウッド版には受け継がれている。ジャスティン・チャットウィン演じる悟空の冒険はまだ始まったばかり。三部作構想が発表されているが、どうなる!?

 ―2013年。これまでDBの映像化には寛容に接してきた鳥山明だが、このハリウッド版に対しては不出来と明言。原作者としての意地を見せつけるべく「神と神」制作に参加したと表明。2015年公開の『復活の「F」』では鳥山明による完全脚本が実現。同年には、GT以来18年ぶりとなる新規TVシリーズ「ドラゴンボール超」の原案も鳥山明が担当することが発表。本作はある意味でDBのEVOLUTION(進化)を促したことには他ならない…?




ストーリーブック ドラゴンボール エボリューション 1巻 四星球(スーシンチュウ)編(B6版) (ShoPro Books ストーリーブック)
 
-四星球(スーシンチュウ)編-
 
紫数字:完全推定数値


悟空 10

 孫悟空。ユニテック高校に通う、ごく普通に“なりたい”高校生(通学手段は自転車。小説版ではスクーター)。祖父の孫悟飯から武術を習っていたが、ケンカに使ってはならないと固く戒められていた。自分を抑えつづけているせいか、憧れの女の子にまともに声をかけることもできない。クラスでは変わり者扱いのつまはじき者で、とにかく普通になりたいと思っていた(小説版ではハリネズミのような剛毛が悩みの種。劇場版でも髪型のセットに苦労している)。だが18歳の誕生日を境に、普通どころじゃない、世界の命運をかけた異常な戦いの渦中へと放り込まれる。

 魔人ブウ編の青年悟飯に、GT「悟空外伝」の悟空Jr.をミックスしたような雰囲気がある。本作で悟空を演じるジャスティン・チャットウィンはカナダ人俳優で、栗毛に青い瞳と、純粋なサイヤ人には程遠い(原作やアニメのサイヤ人は黒髪・黒目が特徴で、「ネコマジンZ」ではオニオが日本人と間違われている)。だが、悟空Jr.の瞳が青みがかった黒だったことを思えば、青い瞳の悟空というのもあながち的外れではない。むしろ、ドラゴンボールGT(本流)を受け継ぎつつ進化(エヴォリューション)させた『新悟空』に相応しいといえよう。日本語吹き替え版では、ワンピースのウソップ役などでおなじみの山口勝平が悟空の声を担当。多少頼りなくも、前向きでひた向きな18歳の悟空を好演している。

 さて、この新悟空。肝心の戦闘力はどれほどのものだろう? 原作本編で悟空18歳といえば、天界での修行を経たことで300~400には達している。だが、本作の悟空にはまだそこまでの強さはない。ジャンプ力を基準にすれば、せいぜい原作初登場時の悟空と同程度になってしまう(思いっきりジャンプして6メートル。原作で亀仙流修行を経た悟空は、軽々と数十メートルは飛ぶ)。実写映画化でリアルに近づいたためだろう。漫画やアニメほど常人離れはしていない(本作の登場人物全般にいえること。ただしピッコロや大猿、本作終盤の悟空は除く)。とはいえ、常人の倍(戦闘力 10)もあれば、常人(戦闘力 5)の動きは全てスローモーションだ。

 なお、ドラゴンボール「一応の」公式実写化は、実はエヴォリューション前にもあった。しかも日本国内で。1994年「新春スターかくし芸大会」において『ドラゴンボールXYZ』というパロディ作品が制作されたのだ。悟空役に近藤真彦、宿敵テル(セルみたいなヤツ)に神田正輝。悟空には悟安〔ごあん〕という娘がいたりした。


悟飯 9
(通常時)〔→18(かめはめ波)

 孫悟飯じいちゃん。齢70を数える白髪の老人だが、亀仙人から学んだ武術は衰えを知らない(戦闘力は原作本編での推定値 90の1/10とした。体力では悟空に劣るが)。徒手空拳の威力もさることながら、如意棒を使った巧みな棒術に、「気」の極意を心得ている。本作での「気」の概念には空気・火・水の三大要素があり、悟飯は中でも空気の技を得意とする。「影鶴(かげつる)の拳」は空気を操る基本中の基本、初歩の技だが、悟空には見切ることができない。(小説版では「影鶴拳」〔えいかくけん〕、ゲーム版では「影(かげ)の鶴(つる)の突き」と呼ばれる。原作本編では、亀仙流よりも鶴仙流のほうが「気」の扱いが上手い。本作には鶴仙流が混じっている?)

 「最初のルールは“ルールがない”ということ」を信条にしている。先駆者であれ、という心構えなのだろう。18年前、隕石から生まれた石猿(サイヤ人カカロット)を拾い、悟空と名付け、自分の孫として育ててきた。ドラゴンボールの由来や、ピッコロ大魔王がナメック星人であること、これから悟空を待つ運命も承知していた。悟空が18歳を迎えた日の朝、悟空に四星球を授ける。その晩には悟空の出生の秘密も語るつもりだった。だが、復活したピッコロ大魔王の襲撃を受け、崩れた家の下敷きになってしまう。悟空に助け出された時はすでに虫の息で、「亀仙人を探せ」と言い残すのが精一杯だった。

 本作において最も原作に近いイメージの登場人物といえるが、やはり様々な部分が異なっている。まず住んでいる場所。都から数千公里(キロ)彼方の山奥、ではなく、比較的街に近い。家は質素な平屋ではなく、古風で広々とした二階建て。悟空のひとり部屋もある。男やもめの身の上であり、料理は得意。ニワトリの足、ツバメの舌、ハトの丸焼き。GTでチチが出したパオズ山のゲテモノ料理のようなメニューだが、心がこもった美味しい家庭の味。悟空には常々「自分を信じろ」と言い聞かせており、GT「悟空外伝」のパンばあちゃんに通じる教えだ。日本語吹き替え版では、ジャッキー・チェン(チュンではない)役でおなじみの石丸博也が声をあてた。

 PSP用ゲーム「ドラゴンボール エヴォリューション」では、プレイヤーキャラのひとりとして登場。アーケードモードで選択すると、あの世から(一日だけ?)甦ったという設定で話が進む。如意棒を駆使した戦闘スタイルをとっており、映画版以上に如意棒が活躍する。(如意棒は原作同様に伸縮自在。小説版でも伸びる。映画版では普通の棒?)


ケイリー・フラー(ケアリー・フラー/ケイリー・ファラー) 5.6

 ユニテック高校に通う男子高校生。アフリカ系アメリカ人のような屈強な青年。悟空の同級生だが、学校のボス的な存在で、悟空を変人扱いして見下している。クラスのマドンナであるチチを(半ば強引に)ガールフレンドにしていた。悟空には苗字でフラーと呼ばれ、チチには名前でケイリーと呼ばれる。(映画版ではケイリー・フラー。小説版ではケアリー・フラー。ゲーム版ではケイリー・ファラー)

 マクロバーツ邸(チチの家)のパーティには、愛車の黄色いスポーツカーで乗りつけた。だが、悟空を倒そうと振るった鉄棒で自ら愛車をスクラップにしてしまう。GT「悟空外伝」におけるパック的な役どころだが、悟空の親友にはなりそうもない。戦闘力的には5.6(ゴロツキ)とするのが相応しい。


アガンデス(アグンデス) 5.5

 ユニテック高校に通う男子高校生。ラテン系アメリカ人のような屈強な青年(映画版・小説版ではアガンデス。ゲーム版ではアグンデス。おそらく苗字)。ケイリー・フラーの取り巻きのひとりであり、フラー一味のサブリーダー格。マクロバーツ邸(チチの家)のパーティで悟空を痛めつけようとしたが、逆に痛い目を見る。フラーと示し合わせて悟空の背後から鉄棒で殴りかかったのだが、避けられてフラーの鉄棒と同士討ち(小説版ではモレノがフラーと鉄棒で同士討ちになる。アガンデスはいつの間にか姿を消していた?)。GT「悟空外伝」におけるパックの子分的な位置付けだが、悟空とは友達になれそうもない。戦闘力的には常人がちょっと鍛えた程度だろう。ボスのフラー(5.6)にはやや及ばない。


ヒルデンブラント  55.5
モレノ
バトラー
パーマー

 ユニテック高校に通う男子高校生。悟空の同級生で、フラーの取り巻き。名前は小説版から。ムキムキ野郎のヒルデンブラントは苦もなく悟空に倒された(小説版。映画版でヒルデンブラントに相当する男は、悟空が避けたバトラーのキックを腹に受けて噴水に落ち)。タックルを仕掛けてきたモレノは、悟空が避けたバトラーの飛び蹴りを顔面に食らってダウン。パーマーの渾身のパンチは車のウィンドウを砕くと同時に、己の拳まで砕いてしまった。戦闘力的には常人並みかちょっと鍛えた程度の間だろう。個別に推定する価値はない。


キンガリー先生 5

 ユニテック高校の科学(理科)の講師。頭の禿げかけた中年の白人男性。日食について講義し、昔の人間は日食を世界の終末の前触れだと考えていたと述べる。インドでは日食は闇の悪魔ラーフが太陽を食べたしるしとされ、中国では龍の仕業とされると説明(エヴォリューションにおけるドラゴンボール世界は、現実の地球に近い国土と歴史を持っている。悟空が日食の原因はナメック星人(ピッコロ大魔王)にあると言うものだから、呆れて冷笑した。戦闘力的には普通の男性だろう。


ウィーヴァー(ウィーバー) 5

 ユニテック高校に通う男子高校生。悟空の同級生。映画字幕ではウィーヴァー。小説版ではウィーバー。キンガリー先生の問う日食の原因を、「太陽が月の影に隠れるから」と的確に答えた。映画版ウィーヴァーでは声だけで姿は映らないが、小説版ウィーバーは知ったかぶりの太っちょと描写されている。戦闘力的には普通の男性だろう。


エミ 4

 ユニテック高校に通う女子高校生。アフリカ系アメリカ人のような雰囲気の美人。名前は小説版から。悟空の同級生で、チチと仲がいい。チチと並ぶクラスのマドンナ的存在なのか、フラーにも気に入られている。だが、自分のIDカードの写真うつりには満足していない様子(本人いわく「ひどい」)。ロッカーを開閉するカードリーダーには苦戦したことがあるらしく、同じく苦戦するチチに同情の言葉をかけていた。戦闘力的には普通の女性だろう。



ストーリーブック ドラゴンボール エボリューション 2巻 冒険(アドベンチャー)編(B6判) (ShoPro Books ストーリーブック)
 
-冒険(アドベンチャー)編-
 
紫数字:完全推定数値


ブルマ・ブリーフ(ブルマ・エンチャント) 5

 映画版でのフルネームはブルマ・ブリーフ。父・ブリーフ博士の名前が苗字扱いになっている。小説版及びゲーム版ではブルマ・エンチャントを名乗っており、「enchant」とは「魔法をかける」の意。魔法使いのごとく有名になることが夢で、そのためにドラゴンボールを追い求めていた。ドラゴンボールをプロメチウム・オーブと名付け、無限の電力(永久機関)にできると考えていたのだ。(プロメチウム・オーブは映画字幕版での表記。ゲームではプロメシウムオーブ。小説ではプロメシアム・オーブ。プロメチウムは実在の元素で、放出するβ線を電気に変換する原子力電池としての用途が考えられている。また、小説版では電球の発明者がトーマス・エジソンとされ、現在が22世紀だとブルマが明言している)

 所持していたドラゴンボールは五星球。父親が20年前に発見したもの(原作では家の蔵に二星球)。マイに厳重な金庫室のセキュリティを突破され、五星球を奪われてしまう。取り返すと父に誓い、家を飛び出した。独自に開発した「プロメシアム発見器」(小説版)を用い、ドラゴンボールの波長を追跡して悟空の家へ。悟空を五星球強奪犯として殺しかけたが、四星球や他のドラゴンボールの存在を知るところとなる。「発見器」改め『ドラゴンレーダー』(悟空命名)を手に、悟空とともにドラゴンボール探索に出発した。(ドラゴンボールエネルギーレーダー。通称・ドラゴンレーダー。略記はDBE〔ドラゴンボールエナジー〕。原作の丸型レーダーとは異なり、スマートフォンタイプの縦長画面。精度は原作ほど高くない模様)

 本作のブルマを演じるエミー・ロッサムは、アメリカの女優。ユダヤ系の両親を持ち、茶色い髪に茶色い瞳。アニメ版のブルマ(水色の髪)を意識してか、前髪とポニーテールに水色のメッシュを施している。小説版では「20代くらいの気の強そうな美女」と表現されており、まるで金髪ランチさんが乗り移ったかのよう。大学では応用科学と兵器学を専攻(字幕)。吹き替え版では応用力学の博士号を持ち、副専攻が手動兵器。小説版では応用力学の博士号に、副専攻は戦略兵器学。まさしくブルマ+金髪ランチのインテリ戦士。原作どおりなら悟空の4歳年上で、本作のブルマは22歳になる。日本語吹き替え版では、ドラゴンボール改~超のデンデを演じた平野綾がブルマの声を担当している。

 おなじみホイポイカプセルは、カプセル自体が折り紙のように車にトランスフォームする。愛車RX-550ロードスターは、トラック一台程度なら楽々引っ張っていけるほど馬力が強い。ブルマ自身も鍛えているのかかなり頑丈で、素手でも並の男程度になら負けないだろう。装備した2挺のレーザー誘導式銃(セミオートマチック)が唸れば、悟空や亀仙人にも引けを取らない。PSP用ゲーム「ドラゴンボール エヴォリューション」にも銃撃のブルマとして参戦している。数あるドラゴンボール“対戦”ゲームシリーズの中でも、ブルマが直接戦うのはこのDBEだけだ。


亀仙人(武天老師) 12
(通常時)〔→24(かめはめ波)

 トイサン(台山)の武道寺に学んだ高名な武道家。武術の神・武天老師の異名を持つ。悟飯の師匠。2000年前に繰り広げられたピッコロ大魔王との戦い、ドラゴンボールにまつわる伝承を聞き知っていた。しかし、あまりに荒唐無稽なホラ話に思えてしまい、懐疑主義者として山を降り世俗にまみれた。パオズの街(町)で長らく無為な日々を過ごしていたが、悟空と出会い、ついに己の使命に目覚める。薄汚れた貧相な老人姿から、陽気なアロハシャツの壮年姿に変身し、意気揚々とDB探索の旅へ(原作では海底で拾った三星球をネックレスにしていたが、本作では二星球で部屋の奥に仕舞い込んでいた)。道中悟空を鍛えるとともに、自らは魔封波(マフーバ)を放つ覚悟でピッコロとの戦いに臨んだ。

 本作で亀仙人を演じるチョウ・ユンファは50代の香港俳優。原作の亀仙人(300歳超)よりずっと若い。PSP用ゲーム「ドラゴンボール エヴォリューション」では、悟飯(70歳)より年上らしい台詞がある。若さの秘訣は悟飯以上に「気」の極意をマスターしていることにあるのか(ゲームではマスター老師とも名乗る)。「影鶴(の)拳」に続く空気を操る技(気功術)の第二段階。2つのもの同時に意識を集中するよう悟空を鍛える(高速で走るトラックの上で片手逆立ちしながら、もう片方の手でオレンジを「気」でたたき落とす特訓)。そして最終段階が「かめはめ波」だ。己の「気」と周囲の空気を圧縮して撃ち出す技として描かれている。悟空を鍛えたのはわずか7日足らずだが、悟空からは学ぶべき師匠として慕われるようになった。(原作での亀の甲羅修行の代わりに、網袋に放り込んだ重い荷物を悟空に背負わせて走らせたりもした)

 本作での亀仙人の戦闘力は、原作初期(推定 120)の1/10あればいいほうだろう(ジャンプ力は10メートル以上)。かめはめ波を撃つことはできるが、さすがに月まで破壊するほどの威力は発揮できない。リアルに近づいたエヴォリューション世界の亀仙人はまた、原作ほどスケベで変態でもない。「ビキニ・マガジン」のコレクターズエディション(特別号)を持っていても、他に溜め込んでいる様子はない(原作の亀仙人はエッチな本を数百年かけてコレクションしているという筋金入り)。ブルマの腰に手を回したこともあるが、落下するブルマを受け止めてお尻を触った時はすぐに放して謝った(その点、ゲーム版の亀仙人はヒロインに対して下品な視線を送っており、原作に近くなっている)。日本語吹き替え版では、メル・ギブソンやハリソン・フォードの声をあてることが多い磯部勉が亀仙人を担当。


ヤムチャ 5.86

 荒野の盗賊、というよりチンピラニーチャン。金色に染めた黒髪をオールバックに流している。武道の心得はないが、たくましい体をしており、体力と行動力、そして悪知恵が有り余っている。荒野の道のど真ん中に深さ10メートルもの大穴を掘り、道行く者を落とし込んでは追い剥ぎをしていた(穴はヒョウタン型にくぼんでおり、入り口よりも底のほうが広く、壁は湾曲していて登りにくく崩れやすい。亀仙人の語ったピッコロ大魔王とドラゴンボールの伝承を聞いても信じようとはしなかった。信じられるものはこの世に3つ。「自分、おのれ、おれさま」。つまり自分だけを信じている。(小説版。ゲーム版では「オレ、自分自身、そしてこのヤムチャ様」の3つと紹介されている)

 原作どおりならば、ブルマと同年齢の22歳。小説版では「たぶんハタチかそこら」と書かれている。初めはブルマの発明「無限の電力」がもたらす利益の1/3を当て込んで悟空たちの仲間に加わった。「みんな何かでつながっている」とテレビの受け売りをたいそうな運命論のように掲げていた。だが、旅を続けるうちに世界の滅亡が本当に迫っていることを知り、我が身と運命を本気で省みるようになる。ブルマと心の内を語り合い、いつしか魅かれ、自分以外の者にも信頼と愛情を示せるようになっていく。ピッコロ大魔王がドラゴンボールで願いを叶える直前に阻止できたのは、ヤムチャがいたからこそ。

 いや、正確には「ヤムチャのトラックがあったからこそ」、というふうになるだろうか。ヤムチャのトラックにはありとあらゆる工具が搭載されており、大型ドリル(掘削機)もその一つ。それで落とし穴を掘ったのだろうが、地下に埋まったドラゴンボール(三星球)を掘り出す役にも立った。決戦の地「ドラゴン・テンプル」には、トラックの飛行モードがなければ辿り着くことはできなかった。PSP用ゲーム「ドラゴンボール エヴォリューション」参戦のヤムチャ究極技は、ヤムチャーカーアタックという。ヤムチャ自身の戦闘力は原作ほど(推定 8.6)はないだろう。せいぜい常人(5)+0.86(ヤム)のゴーヤムチャ。日本語吹き替え版では、人造人間14号や強力のピロシキを演じたこともある江川央生ヤムチャが弾ける。


チチ(チチ・マクロバーツ) 7.7

 ユニテック高校に通う女子高校生。悟空の同級生であり、悟空の憧れの女の子。アジア系の美女(チチ役のジェイミー・チャンは韓国系アメリカ人)で、クラスのマドンナ的存在。家庭や学校ではしおらしく振る舞っていたが、彼女には誰にもいえない秘密があった。それは、彼女の内には猛々しい戦士(ファイター=武道家)の血が流れているということ。悟空が自分と同じように武道家であり、普段から騒ぐ血を抑えていたことに親近感を覚える。自宅パーティでの事件が決定打となり、今まで嫌々付き合ってきたフラーから悟空に乗り換えた。

 武道家を志していることは家族にも理解されないと思い、内緒にしてきたという。自分を偽ってきた点を除けば、原作のチチとビーデルをミックスしたような雰囲気だ。映画版では言及がないが、小説版及びゲーム版ではチチ・マクロバーツというフルネームがある。豪邸マクロバーツ家は資産家なのだろう。少なくともフライパン山の牛魔王とは異なる父親像だ。(原作初期のブルマが自分の名前を嫌っていたのと同様、本作のチチも自分の名前がバカっぽいと思っている)

 原作のビーデルは悟飯から「気」を教わったが、本作のチチは独学で「気」の存在を知る。悟空の「気」をコントロールするきっかけをつくり、最終的に「かめはめ波」の習得まで面倒見た(チチのこととなると悟空のやる気と集中力が格段に高まる。キスをご褒美に「かめはめ波」練習)。また、「習ってないことも全て自分流でやる」というアドバイスも悟空の大きな助けになった。(映画版では全て自己流の武術のようだが、小説版では師父に教えを仰いでいる)

 本作でのチチの戦闘力は、原作初登場時の少女時代の推定値(7.7=シチシチ)が採用できる。ストーン・テンプル(かつて亀仙人と悟飯が修行した場所)の組み手特訓では、大男を倒した。台山(トイサン)の武道会及び武道寺では、マイを相手に優勢に戦っている。だが、偽者のチチ(マイの変装)が現れたことで、悟空に間違って倒されてしまい、根に持った。チチの言い分は、悟空にやられたのはわざと。悟空の言い分は、自分が手加減しなかったから。気持ちよく交際するために、ラストで悟空に戦いを挑み、どちらが強いか白黒はっきりつけようとした。

 PSP用ゲーム「ドラゴンボール エヴォリューション」にも参戦し、究極技「舞姫」を披露する。日本語吹き替え版では、小清水亜美がチチの声をあてている。「スイートプリキュア」の『キュアメロディ』(北条響)のごとく舞い踊り戦うぞ?


シフ・ノリス 7.6

 台山(トイサン。小説版ではトイ・サン)の武道寺を治める師父(しふ)。亀仙人の師匠。原作の武泰斗に相当する人物で、日本語吹き替え版ではまさに武泰斗役の内海賢二が声をあてている。シフ・ノリス役のアーニー・ハドソンはアフリカ系アメリカ人。浅黒い肌にチベット僧のような僧服をまとう(「ナマステ」と挨拶していることから、本当にインド・チベット仏教の流れを汲む流派なのかもしれない)。小説版では「銀髪の僧侶」と表現されており、コスモグラムによるチベット曼荼羅を描いていた。2000年前から伝わるピッコロ大魔王とドラゴンボールにまつわる伝承を後世に語り継ぐ使命を持つ。

 一陣の風とともに現れた亀仙人を懐疑主義者と皮肉ったが、使命に目覚めた亀仙人に態度を改める。空気・火・水。気の三大要素を祈りに込め、一晩かけて魔封波(マフーバ)の封印の壷を完成させ、手渡した。魔封波の発動は亀仙人の死を意味する。亀仙人には別れ際に「向こう側(あの世)で会おう」と声をかけた。亀仙人の師匠というからには、それなりの強さがあると思われる(原作の武泰斗は亀仙人より強い。だが、自ら戦いの場に赴かなかったことを考慮すると、本作のシフ・ノリスは亀仙人には及ばないのだろう。悟飯には及ばず、チチにも僅差で負けると見て、戦闘力を7.6(ナム=ナマステ)と定める。(ナムっぽい印象もある)


ワタナベ ?
タナカ ?


 トイサンは原作におけるパパイヤ島の武道寺と同じで、天下一武道会のような武道大会を開催する。円形のリングには「TOISAN TOURNAMENT OF CHAMPIONS」と英語表記され、3人の審判が取り囲む。試合形式は「K-1」のようなフルコンタクト空手に近く、原作の「天下一武道会」という印象ではない。場内アナウンスでは日本語と英語が併用されていたり、どうにも国籍不明の大会だ。ワタナベとタナカは、チチとマイの次の対戦カードとしてアナウンスされた。両者とも男性。おそらくチチには敵わないレベルだと思われるが、判断材料がないので戦闘力不明としておく。



ストーリーブック ドラゴンボール エボリューション 3巻 死闘(バトル)編 B6版 (ShoPro Books ストーリーブック)
 
-死闘(バトル)編-
 
紫数字:完全推定数値


マイ 7

 原作におけるピラフ一味のマイだが、本作ではピッコロに絶対的な忠誠を誓っており、もはや狂信者(どのような経緯でピッコロの配下になったかは不明。ピッコロを封印から解いたのはこのマイか?)。格闘技術も原作以上に鍛えこまれており、超一級の暗殺者としての実力を備えている。手裏剣・エネルギー銃など様々な武器を使いこなし、背負ったジェットパックで空を飛ぶこともできる。小説版で「鮮やかな深紅の衣装」と表現されるボディスーツには、電撃(アーク)発生機能がある。アクロバティックな科学忍者とでもいうべき女戦士は、小説版によれば「年のころは20代後半」。

 戦闘力は悟空には劣り、火山で悟空の顔面を殴りつけてもダメージを与えることはできなかった(映画版)。チチ(戦闘力7.7)よりも格下で、トイサンの武道会ではチチと対戦するが一方的に追い詰められる。だが、一瞬の隙を突いて装着式の一本爪(クロー)でチチの腕を傷つけると、満足そうに自ら場外棄権。マイの目的はチチの血を奪うで、そこから調合した変身薬でチチに化け、悟空たちからドラゴンボールを奪った。本物のチチと鉢合わせになり倒されそうになるが、悟空を騙して本物のチチを倒させ、悟空にも背後から銃撃する。そんなマイの最期は、ブルマにとどめを刺す寸前ヤムチャに背後から撃たれるというものだった。(小説では手裏剣)

 小説版では「謎めいた美女。髪はショートで、なかなかのファッションセンスの持ち主」と表現されている。ゲーム版では「エキゾチックでセクシーな魅力のある女性」と紹介されており、不思議な存在感がある。そんな映画版マイを演じたのは、「アイドル伝説えり子」のモデルとなった田村英里子(えりりん)だ。今やハリウッド女優の彼女(自著「ハリウッド・ドリーム」)だが、映画では英語のほかに日本語を話す場面もある。日本語吹き替え版では、初恋がドラゴンボールの孫悟空であると語る甲斐田裕子がマイの声をあてた。PSP用ゲーム「ドラゴンボール エヴォリューション」での究極技はバーニングファイター。(ジェットパックによる突進)


フーラム 6

 原作におけるピッコロ魔族(ピアノ・シンバル・タンバリン・ドラム)に相当する生物。卵からかえるのではなく、ピッコロの血から培養される。ピッコロとは似ても似つかない異形のクリーチャー。映画版では特に言及されていないが、フーラムという名があり、ナメック星人以上の再生能力を持つ。小説版では「再生人間」、ゲーム版では「再生者」と呼ばれ、わずかな断片からでも全身を復元できる。切れば切るほど分裂増殖するという厄介な戦闘生物で、2000年前の戦いにも用いられた。全身が岩か金属のような質感で、各部に鋭い刃を生やしている。再生するごとに微妙に形を変えるのも特徴だ。

 ただし溶岩(700℃以上)につかると細胞の活動は停止し、増殖は止まり再生者といえど死亡する。悟空はフーラムの利点と弱点の両方を利用し、溶岩の先にあるドラゴンボール(六星球)までの足場とした。フーラム個々の戦闘力は大したことはなく、マイにも劣るものと思われる(常人よりは強い)。PSP用ゲーム「ドラゴンボール エヴォリューション」では、フーラムのうち一体が自我を持った(アーケードモード)。仲間たちを捨て駒にするピッコロ大魔王を打ち倒し、フーラムという種の自由と解放を勝ち取ろうとたくらむ。


PICCOLO『ドラゴンボール EVOLUTION』米国発売バージョンBANDAIアクションフィギア
ピッコロ大魔王 130
(通常時)260(爆力魔波)

 宇宙の彼方からやって来たナメック星人で、弟子の大猿(サイヤ人)とともに地球を滅亡寸前に追い込んだ。だが、勇敢な7人の戦士(老師)が唱えた強力な呪文「魔封波」(マフーバ)によって地下深く封印される。それが2000年前のことだ。小説版では紀元前200年ごろ、中国秦の時代の記録に残る出来事だ。22世紀(西暦2100年代)の現在から数えると、正確には2300年以上前の出来事となる。伝承に残るピッコロはと表現されており、原作のピッコロとは異なり、神(善)と分離してはいない様子。神といっても悪しき神、魔神という意味で、スラッグのような悪のナメック星人を指してのことだろう。

 封印の壷に閉じ込められていた期間は2000年以上と、原作の300年を遥かに超えている。原作で封印から解き放たれたピッコロは年老い衰えていたが、本作のピッコロは若く力強いままだ(小説版では封印前のピッコロを「若いピッコロ」と表記しており、解放後多少は老けていたのかもしれない)。本作でピッコロがドラゴンボールを欲する理由は、地球人に復讐するための力を得ることにある。(小説版では2000年の時を取り戻すとも言っており、若返ることが目的であるとも受け取れる)

 本作のピッコロの戦闘力は、原作で若返ったピッコロ(通常時 260)の半分とするのがちょうどよいだろう。確かに本作のピッコロも、小さな村や町程度なら一撃で壊滅できるエネルギーを秘めている。「気」を念力のように操ったり、舞空術を使うこともできる(本作でまともに舞空術を使うのはピッコロのみ)。だが、原作でキングキャッスルを吹き飛ばしたような威力は「まだ」発揮できないよう見受けられる。ドラゴンボールでパワーアップすることで、ようやく原作ピッコロに匹敵する破壊力となるはずだ。PSP用ゲーム「ドラゴンボール エヴォリューション」に登場するネオピッコロが、その段階なのかもしれない。日本語吹き替え版での声優は大塚芳忠。(ナルトの自来也や、ワンピースのモンブラン・ノーランドなど)


大猿(カカロット) 130

 孫悟空とは世を忍ぶ仮の姿。その正体は何と、ピッコロの弟子となるべき大猿だった。小説版やゲーム版では悟空がサイヤ人であり、真の名をカカロットということまで明かされている。18年前、空から降ってきた隕石から誕生した赤ん坊(カカロット)を悟飯が拾い、孫悟空と名付け育てたのだ(石から誕生したのは西遊記の孫悟空と同じ。誕生の地・花果山〔かかざん〕がカカロットの語源にもなっている)。原作とは異なり、尻尾がなくとも赤く染まった月が太陽を覆い隠すこと(皆既日食)で変身する。変身の場所はドラゴン・テンプル。神龍を呼び出す聖地であり、カカロットが地球に降り立った場所。

 大猿はピッコロの弟子でありながら、ピッコロを差し置いて世界の「破壊者」と称されている。ピッコロの右腕としてピッコロと同等か、それ以上の戦闘力を秘めているのだろう。ゆえに「破壊者」。本作の大猿は原作ほど巨大化はせず、せいぜい元の悟空の2倍程度の大きさで、服も着たままだ。だが、元の悟空の戦闘力を考えれば、パワーアップ率は原作通りの10倍とすることができる。いや、潜在パワーを含めれば10倍以上かもしれず、しかも原作ではありえないスピードで動き回る。PSP用ゲーム「ドラゴンボール エヴォリューション」では、伝説の超サイヤ人(ブロリー)のごとき強さ。


魔封波(マフーバ) 300
(空気・火・水+僧侶たちの祈り)

 2000年前、7人の老師が命と引き換えにピッコロ大魔王を封印の壷に封じ込めた伝説の呪文。2000年後の現代では、シフ・ノリスらトイサンの武道寺の僧侶たちと亀仙人が封印の壷を完成させた。封印の壷に一晩かけて「気」と祈りを込め続けることで、ピッコロを封じ込めるだけのエネルギーを蓄えたのだ。小説版によると、マフーバは「気(空気)」「水」「火」の三大要素を合わせた究極の封印呪文。それゆえに威力が高く、術者は全ての生命力を注ぎ込まなければならない(その点は原作と同じ)。亀仙人はたったひとりで魔封波を発動し、「気」の流れにピッコロを捕らえ、壷に封じ込める直前まで行った。だが、ピッコロが放った気功波に壷を破壊され、魔封波は不発に終わり、亀仙人だけが命を落としてしまう。(小説版ではピッコロを壷に封じ込めるまで行ったが、マイの銃撃で壷にヒビが入り脱出されてしまった)


GOKU『ドラゴンボール EVOLUTION』米国発売バージョンBANDAIアクションフィギア
悟空 13(通常時)
130(大猿パワー)
260(気を集中)780(魔封波+かめはめ波+龍拳)

 わずか7日だが亀仙人の特訓を経て、「気」をマスターするとともに基本戦闘力もアップ(悟空が着ているオレンジの亀仙流道着は、かつて悟飯が身に着けていたものらしい)。大猿になれば戦闘力は10倍に高まり、ピッコロの基本戦闘力に並ぶ「破壊者」の強さを得る。一時は大猿(カカロット)のパワーに理性を奪われたが、亀仙人・悟飯じいちゃん・チチの教えに救われた。自分を信じること、第一のルールはルールがないということ、習ってないことも自分流で補うこと。まるで黄金大猿から超サイヤ人4に変身したGT悟空のように、理性を取り戻し元の体に戻った。

 また、2つのものを同時に操るという「気」の極意により、悟空は悟空でありながら大猿にもなる。つまり、超4の10倍パワーのように、通常状態のまま大猿のパワーを引き出せるようになったわけだ(小説版では牙が生え、筋肉が盛り上がり、目が真っ赤に燃えるという半変身状態をとっている)。ピッコロにとどめを刺した技は「かめはめ波」だが、ただの「かめはめ波」ではなかった。悟空が「かめはめ波」を放つために集めた「気」は、空気・火・水の三大要素を全て備えたもの。砕かれた封印の壷から溢れた魔封波(マフーバ)の「気」を集めていたのだ。(小説版に明記)

 さらに、映画版の悟空は「かめはめ波」を撃ちながらピッコロに向かって突進している。原作においてピッコロにとどめを刺した「(後の)龍拳」を掛け合わせたような決め技だ。魔封波+かめはめ波+龍拳。その威力は原作の少年悟空が放った龍拳に匹敵するだろう。(小説版では、龍拳の代わりに皆既日食からもたらされた力、すなわち月と太陽の力が加わっている。悟空・大猿・空気・火・水・月・太陽という7つの力がピッコロを退けた形になっているのが象徴的だ)

 小説版では「ピッコロ大魔王の生命の炎は消え果てた」と明記されているが、映画版では―


2000年前の大猿(サイヤ人) ?

 ピッコロが2000年前の地球侵略に際し弟子として引き連れてきた大猿。飛来時期から、悟空(カカロット)とは別のサイヤ人だと考えたほうがよいだろう。戦闘力は大猿悟空と同等かそれ以上かと思われるが、詳細不明。ピッコロが魔封波によって封印されたことで、姿を消したという。


7人の戦士(老師) ?

 命を懸けて魔封波(マフーバ)を唱え、ピッコロを封じた2000年前の戦士(老師)たち。常人を超えた達人の域の武道家たちだと思われるが、詳細不明で正確な戦闘力の推定はできない。いずれピッコロが復活することを見越した戦士たちは、死の直前にドラゴンボールを生み出したという。後の世、ドラゴンボールすなわち神龍が今度こそピッコロを滅ぼす力となることを願ってのことだ(小説版)。ドラゴンボールが悟空に未来を見せたのも、悟空がピッコロにまつわる重大な存在だったからだ。


神龍(シェンロン) ―

 ナメック星人(龍族)製ではなく、地球人の平和への願いが結実して生まれたドラゴンボール。そこから出現する神龍(シェンロン)は、西洋型と東洋型の中間のような龍(ドラゴン)だった。神龍召喚条件は原作より複雑。フリーザが推測した「場所」「ボールの並べ方」が条件に入っている。ドラゴン・テンプルの台座にドラゴンボールをはめ込み、原作よりも長い合言葉を唱える必要がある(専用の台座が用意されている点は「ゼノバース」シリーズに継承された?)。合言葉の初めに「7つの試練は乗り越えられた」と付け加えるのがエヴォリューション流だ。

 悟空が叶えた願いは「ピッコロに殺された人たちを生き返らせること」ではなかった。そう願えば悟飯じいちゃんも生き返ることができたはずだが、生き返らせたのは亀仙人ただひとり(「ピッコロ“たち”に殺された人間」と願えば、マイに殺された人間〔ブルマの同僚や友達〕も生き返る)。悟空たちの考えが巡らなかったのか、エヴォリューションの神龍はポルンガのように1回ひとりなのか。とにかく生き返った亀仙人は、あの世が幸せで留まりたかったが、悟飯に蹴りだされたのだという。

 願いを叶えた神龍は消え、原作どおりにドラゴンボールは地球のどこかへと散り散りになった。だが、1年間はただの石になるというルールはあるのかないのか、ブルマはすぐさま再度のDB探索を提案(石にならないのなら、GTの究極ドラゴンボールの性質を一部引き継いでいることになる)。進化(エヴォリューション)したドラゴンボールの物語は、次なる段階へと進もうとしている―? なお、この神龍の戦闘力は測定不能だろう。原作とは異なり、創造主が死んでいても存在している。GTに登場した究極神龍のように、創造主の力を超える願いを叶えられる可能性も??


セキ 4

 小説版には未登場。映画版のみに登場する謎の日本人(?)女性。七星球を所持していた。村を焼き払われ、マイに殺されそうになるが、ピッコロに情けをかけられ救われたようだ。悟空のかめはめ波で倒れたはずのピッコロを介抱し、続編を予感させる終わり方となっている。日本の女優・関めぐみが演じる謎の女性。ストーリーの鍵を握る巫女だというが、詳細不明。中国風の民族衣装を身に着けているが、日本語で話している(場面は字幕版・吹き替え版共通)。戦闘力的には普通の女性だろうが、マイやピッコロにも物怖じしない。そこをピッコロに気に入られたか。


 ―このEVOLUTIONは当初、三部作構想だった。公開1年前の2008月には、実写版映画『ドラゴンボール』で悟空の死亡は『ドラゴンボール2』最初に…という続編の内容まで発表されていたのだが、業績不振のため直接の続編はならず。ドラゴンボールの現状に業を煮やした原作者・鳥山明は2013年に原作本編に連なる映画「神と神」制作に参加を表明し、2015年にはその続編『復活の「F」』の完全脚本、そしてさらに先を描く「ドラゴンボール超」の原案を担当することになった。つまり、DBのEVOLUTION(進化)を促したことには他ならない作品ではある―?



ドラゴンボール改 超バトルステージ 戦闘力 へ
ドラゴンボール 戦闘力 トップページへ
inserted by FC2 system