ドラゴンボールZ 絶望への反抗!! 残された超戦士・悟飯とトランクス 戦闘力

Dragon Ball Z: Bardok / Trunks Double Feature [Blu-ray] [Import]


 -概要-

 TVアニメ「ドラゴンボールZ」の1時間スペシャル第2弾。1993年2月24日放映。人造人間17号、18号と戦う未来の悟飯とトランクスの姿を描いたストーリーだ。『DRAGON BALL Z DVD BOX DRAGON BOX VOL.2』の特典ディスクに収録。TVSP単巻『DRAGON BALL Z SPECIAL SELECTION DVD』も発売された。

 本編では超2悟飯が超完全体セルを撃破し、平和な未来を勝ち取った。これは、その新たな未来の礎となった、古き未来の物語だ。17号と18号。2人の人造人間によって滅びの道を歩みつつある未来。悟飯とトランクス。2人のサイヤ人ハーフが絶望への反抗を試みていた―。

 原作では番外編「TRUNKS THE STORY -たったひとりの戦士-」として描かれている。週刊少年ジャンプ1992年36・37合併号にて本編「父を超えた超トランクス!」と同時掲載された。収録は「DRAGON BALL 33 (ジャンプ・コミックス)」「DRAGON BALL 完全版 34 (ジャンプ・コミックス)」。アニメ放映時期は175話と176話の間。コミックス収録巻と重なるセルゲーム開幕直前のころだった。




-VS フリーザ親子- 紫数字:完全推定数値

メカフリーザ 1億6000万(最大)
コルド大王 1億(最大)

悟空 450万(基本最大)2億2500万(超1-1)

ベジータ 350万(最大)
ピッコロ 135万(重り)170万(重りを外す)
悟飯 90万(基本最大)
クリリン 8万(最大)
ヤムチャ 7万(最大)
天津飯 40万(基本最大)
餃子 4万(最大)

 ナメック星の戦い(エイジ762末)から1年と8ヶ月後、エイジ764の8月某日、フリーザ親子が地球に襲来した。悟空もヤードラット星から地球に向かっていたが、フリーザの宇宙船はそれを追い抜き地球に到着。フリーザは悟空が戻るまでの3時間で、地球人を皆殺しにしようと考える。しかし、悟空は新たに習得した瞬間移動で地球に帰還、フリーザ親子の息の根を止めた。

 数値自体は人造人間 セル編(前編)で紹介したものと変わらない。異なるのは、この次元には別の未来からトランクスがやって来ていないこと。そして、もうじき悟空がウイルス性の心臓病にかかって命を落としてしまうということだ。


*悟空の死亡時期がTVスペシャル準拠の場合。
悟空 500万(基本最大)2億5000万(超1-1)

 惑星ひとつの人間を死に至らしめるウイルスの詰まった絶滅爆弾。それすら効かない強い毒耐性を持つサイヤ人(「ジャコ」設定)をも蝕む恐怖のウイルス性心臓病。神龍に治してもらうという選択もあったはずだが、ドラゴンボール集めも間に合わないほど病状が急速に進行したのか。

 悟空死亡の時期は媒体によって異なる。原作やTV本編でのトランクスの言によればフリーザ親子来襲から間もなく。大全集や超全集の年表ではそれを受け、エイジ764となっている。TVスペシャルではすでにトランクスが生まれており、エイジ766末だと推測される。その場合、悟空はフリーザ親子を倒したときよりも多少は強くなっているだろう。しかし、超サイヤ人も病気には勝てず、悟空は命を落とした。

 その半年後。エイジ767、5月12日、午前10時ごろ。南の都の南西9km地点の島に、恐ろしい2人組が現れた。人造人間17号と18号だ。

 なお、その島は『アルティメットブラスト』では「あめんぼ島」と呼ばれている。(原作では名称不明)



-VS 人造人間 その1 早すぎた覚醒- 赤数字:公式数値 紫数字:完全推定数値

人造人間17号 4億
人造人間18号 3億


「この世のものとは思えないほどの凄まじいパワーを持った怪物」
「1対1でも逃げるのがやっとでした」
「強すぎる……!! 強すぎるんですよ奴らは…!!」

 過去に遡ったトランクスは、未来に現れる人造人間の脅威をこう悟空に伝えた。一方で、現代の17号、18号と戦ったあとにこうも言っている。

「あれほどとんでもない強さじゃなかった…オレでもそこそこは戦えるぐらいの…」

 以上の台詞を踏まえ、本編に登場した現代の17号、18号の戦闘力(パワー値)はそれぞれ12億、9億と推定。未来の17号、18号のパワー値は現代の2人よりも低く、3分の1だったものとする。しかし、未来の17号、18号の性格は、現代の2人とは比べものにならないほど残忍だった。

「人間を見ると腹が立つんだ。私たちは人間が嫌いなんだよ」

 出現した途端にエネルギー波を乱射し、町を壊し、人々を殺めていく未来の17号と18号。双子の姉弟として息の合ったコンビネーション攻撃も強力だ。

 なお、原作では当初、トランクスは悟空に3年後現れる人造人間は19号、20号だと伝えていた。本編の3年後、たしかに19号、20号は現れたが、それはトランクスの知る人造人間とはまったく異なっていた。トランクスの知る人造人間2人組は17号、18号のことであり、それを指して19号、20号と呼んでいたことになってしまうのだ。単なる設定ミスだろうが、そうではないとしたら…?
 
 未来でも最初に現れたのは19号(デブ)と20号(ジジイ)だが、17号(少年)と18号(少女)との交代劇が密かにあった。そのどさくさに紛れ、17号、18号の号数が、19号、20号だと誤認識されてしまった。そして、しばらくして(トランクスが2度目に過去へ飛ぶころには)認識が正しく改められた。と、多少強引ではあるが、まったく説明不可能というわけでもない。アニメではZ、改ともに3年後に現れる人造人間の号数には言及していないため、上記の矛盾は発生していない。

 ゲームボーイアドバンス「ドラゴンボールZ 舞空闘劇」では、現代と未来、2人の18号が対決するIFストーリーがある。DS用ゲーム「ドラゴンボールZ 舞空烈戦」のIFでは、現代の18号から未来の残酷な18号に分岐する運命の分かれ道がある。


ベジータ 400万(基本最大)2億(超1-1)

 基本値は3年前(エイジ764)の350万から50万増えて400万。約1.14倍のパワーアップ。この3年は、マジュニア戦からラディッツ戦までの平和な5年間同様、緩やかな戦闘力上昇に留まったものと想定。

 原作では、この時点のベジータが超サイヤ人に変身できたかどうかは言及されていない。アニメでも、トランクスが悟空に未来の危機を伝える場面では、黒髪のベジータがやられるイメージだった。しかし、ドラゴンボールZ 第164話やこのTVスペシャルでは、ベジータは超サイヤ人になって戦っていた。※DBZ 164話「絶望の未来!!地獄を生き抜いた男トランクス」1992年11月11日放映。※TVスペシャルよりも前の放送で描かれたシーンで、完全体セルと対峙する超1-3トランクスの回想。

「カカロットめ…あんな死に方しやがって」

 もしかすると、宿敵を失ったベジータのやりきれない怒りが超サイヤ人を目覚めさせたのかもしれない。超1-1ベジータ、戦闘力 2億。フリーザ戦の悟空(1億5000万)は抜いたが、3年前の悟空(2億2500万)には追いついていない。17号(4億)、18号(3億)にはなおさら及ばず、命を落とすことになる。

 TVスペシャルでは17号の膝蹴りを食らって最期。Z 164話では17号のエネルギー波でとどめを刺されている。


ピッコロ 150万(重り)190万(重りを外す)

 重りを外した状態で、3年前の170万から20万増えて190万。約1.12倍のアップ。この3年は、マジュニア戦からラディッツ戦までの平和な5年間同様、緩やかな戦闘力上昇に留まったものと想定。本編で超サイヤ人悟空との修行の結果到達した異常なパワーアップ、2億4000万には程遠い。17号、18号の足元にも及ばず戦死。同時に神も亡くなり、ドラゴンボールが消滅。誰も生き返れなくなってしまう。

 TVスペシャルでは18号から腹に強烈な一撃を食らい、地上で膝をついて倒れた。Z 164話では空中で18号の右足が腹にめり込むほどのキックを受けている。


クリリン 8万8000(最大)
ヤムチャ 7万7000(最大)
天津飯 44万(基本最大)
餃子 5万5000(最大)

 この3年は、マジュニア戦からラディッツ戦までの平和な5年間同様、緩やかな戦闘力上昇に留まったものと想定。4人とも一律1.1倍のアップで、本編での人造人間戦に備えた3年間の修行の成果に比べれば雲泥の差だ。皆、17号・18号とは天と地ほどの戦闘力差があり、風の前の塵のように散ってしまう。アニメでは餃子の死の場面は描かれていないが、フリーザ親子を倒したあとのトランクスが戦死者名に挙げている。

 なお、Z 164話とTVスペシャルではクリリンたちの死に方がそれぞれ異なっている。クリリンは、Z 164話では17号の右手からのエネルギー波で、TVスペシャルでは17号と18号の指先からのエネルギー波で。ヤムチャは、Z 164話では17号のエネルギー波で胸を貫かれ、TVスペシャルでは17号の蹴りを首筋に食らって。天津飯は、Z 164話では18号の両手からのエネルギー波が腹部貫通、TVスペシャルでは18号のパンチがみぞおちを貫く。餃子は、Z 164話には登場せず、TVスペシャルでは天津飯と並んで出撃する姿は描かれたものの死の場面はなし。


ヤジロベー 970(ジャンプ付録)

 ナッパ、ベジータ戦前後の戦闘力970から変わっていないものとする。原作では未来のヤジロベーの生死は不明だが、Z 164話で18号のエネルギー波に腹部を貫かれる様子が描かれた。TVスペシャルでは、心臓病で亡くなる直前の悟空の家で姿が確認できるが、人造人間と戦う場面は描かれていない。ドラゴンボール超の未来トランクス編では、瀕死のところをカリンから仙豆をもらって生き延びたことが判明。DB超の未来カリンは死亡した模様。ヤジロベーはその後潜伏したのか、この時点から29年後のエイジ796まで消息不明となる。一方、PSP用ゲーム「真武道会2」の未来カリンは生き延びているものの、ヤジロベーの生死が不明となっている。


悟飯 100万(基本最大)〔→5000万(超1-1)1億(超1-1×怒り)

 9~10歳。この3年は、マジュニア戦からラディッツ戦までの平和な5年間同様、緩やかな戦闘力上昇に留まったものと想定。3年前の90万から10万プラスの100万。約1.11倍のアップだ。未来悟飯がいつ超サイヤ人に目覚めたのかは、原作、アニメともに不明。TVスペシャルでは、人造人間にピッコロたちを殺され、それを思い出しているうちにキレて超化したことになっている。

「かろうじて逃げ延びた孫悟飯さん」

 トランクスは師匠の未来悟飯について、悟空にこう述べている。この言い方からすると、悟飯も人造人間出現時の戦いに参加していたように受け取れる。

 以前の当サイトはその見地から、この時点で悟飯が一時的に超サイヤ人に目覚めたものと推測した。仲間を殺された怒りから悟飯は超サイヤ人に目覚めたが、それでも人造人間から逃げるのがやっと。悟空が超サイヤ人に目覚めてしばらくは変身をコントロールできなかったように、悟飯もずいぶんと苦労した。悟飯が超サイヤ人変身を完全に物にし、さらに修行を重ねるうち、月日は瞬く間に流れたのだ、と。

 しかし、ジャンプビクトリーカーニバル2016公式ガイドブック掲載の2P漫画が新たな可能性を示した(DB超2巻収録)。人造人間出現直後の未来悟飯は戦いには参加せず、ドラゴンボールを集めて地球を救おうとしていた。いくら神龍でも人造人間を止めることはできなかっただろうが、わずかな希望にすがるしかなかったのか…。


ピラフ 2(老人)1未満(赤ん坊)
シュウ 3(老人)1未満(赤ん坊)
マイ 4(老人)1未満(赤ん坊)

 ドラゴンボール超の未来トランクス編に繋がる追加エピソードのピラフ一味(DB超2巻収録)。GT同様の年老いた姿で登場し、人造人間にピッコロが殺される直前に1つの願いを叶えることに成功する。

「神龍よ! オレたちをうんとうーんと若くしてくれ!」

 結果、ピラフ一味は「神と神」の幼児よりもさらに若い赤ん坊にまで戻ってしまう。直後にピッコロが死に、神龍は消滅。ドラゴンボールは飛び散る前に石となって転がった。その現場では、悟飯が「ピッコロさーん!!!」と泣き叫び、ブルマが何もできずに立ち尽くす。そして、ハイハイで逃げ去る赤ん坊のマイと、ブルマにおんぶされた赤ん坊のトランクスの目が合った。

「これがトランクスとマイの最初の出会い…だったとか…」

 なお、GTピラフは74歳だが、この時点のピラフは52歳。マイもせいぜい40手前のはずなので、GTと同じ姿になるには早すぎる。未来のピラフ一味が一気に老け込んだのは何か理由があるのだろうか(単なる気苦労?)。

 また、こののち未来のピラフとシュウの消息は、DB超のアニメ、漫画ともに不明となっている。



-VS 人造人間 その2 遅れてきた希望- 赤数字:公式数値 紫数字:完全推定数値

ウミガメ 0.001
プーアル 1
ウーロン 2
亀仙人 139
(通常時)

 人造人間が現れてから13年後。エイジ780(この時点では年の初めを想定)。本編(現代)ではブラが生まれ、宇宙サバイバル編が展開された時期だ。平和な街もまだまだあるが、軍隊はほぼ壊滅状態になり、抵抗する者はいない。地球の人口の約半分が、17号と18号の「ゲーム」によって消されていた。

 カメハウスで暮らしていた亀仙人、ウミガメ、ウーロン、プーアル。4人は人造人間の目から逃れるために、海中の潜水艇に引きこもっていた。あるとき、亀仙人はラジオの人造人間情報でペッパータウンが壊滅寸前だと知る。人造人間を倒さねば未来はないと、いったんは立ち上がろうとする亀仙人。

 かつては天下一と呼ばれた武天老師。その実力は衰えていないだろうが、無茶だとウーロン、プーアルに止められる。

「悟空さえ…悟空さえ生きていたら!」

 拳を握り締めて嘆くさまは、本編でセルに対し無力感を募らせるしかないもうひとりの亀仙人のようだった。


牛魔王 60(全盛期)48(心労 戦闘力2割減)
チチ 130
(全盛期 ジャンプ付録)78(心労 戦闘力4割減)

 チチ、42歳。悟空も生きていたら同じ歳になっていた。牛魔王もチチも気苦労が耐えないせいか、本編同時期(ドラゴンボール超)の2人よりも老け込んでいる。そのぶん戦闘力も落ちているだろう。牛魔王よりもチチのほうが心労が祟っていそうだ。

 牛魔王は買い物がてら悟飯の噂を聞きつけ、それをチチに伝えた。学者の夢を捨て、戦士としての道を選んだ悟飯。しかし、チチは人造人間なんてどうでもいいから早く帰ってきてほしいと願う。


悟飯 300万(基本最大)1億5000万(超1-1)〔~3億(超1-1×怒り)

 22歳。一人称は「オレ」。ドラゴンボール超の現代悟飯とちょうど同年代だ。短く刈りこんだ髪型は本編(現代)の青年悟飯に近いが、その表情は険しい。人造人間を倒し皆のかたきを討つために、学者となる夢を捨てた孤高の戦士。悟空と同じ亀仙流の道着を身に着けており、背中には大きく「飯」の文字が縫い込まれている。父のように強くなりたいという願いをこめてつくった道着であるとともに、「悟飯」の名に誇りを持つためだろうか。先代「孫悟飯」は亀仙人の一番弟子にして悟空の育ての親。今の悟飯のルーツともなる武道家だ。悟飯がご飯をかき込む豪快な食べっぷりは悟空そっくりだとブルマが言う。

 今の悟飯の戦闘力は、超サイヤ人になっても17号の最大パワー値(4億)の半分にも届かない(原作の17号の言)。一方で、パワーを半分以下に抑えた17号相手ならば、追い詰めることもできる強さは持っている(TVスペシャル)。基本値は13年前の3倍、300万。ナメック星でフリーザを倒したときの悟空にようやく並んだものとする。本編のセル戦で想定したように、悟飯特有の怒りパワー(戦闘力倍化)を超サイヤ人に上乗せできたとしても3億。やっと18号と互角になるだけで、17号を含めた2人を倒すにはまだまだ力が足りない。

 未来の悟飯は、残った仙豆のほとんどを使い尽くすほどの死線を潜り抜けてきた。もしフリーザ編のような強化率で復活パワーアップを遂げていたら、17号、18号はとっくに超えていただろう。一説には、瀕死からの回復パワーアップは超サイヤ人覚醒前段階までの現象ともいわれる(セルは例外)。未来悟飯の戦闘力が伸び悩んでいるのは、超サイヤ人に覚醒するのが早すぎたためと考えられるかもしれない。


トランクス 200万(基本最大)8000万(擬似超1)

 13歳。一人称は「ボク」。ドラゴンボール超の現代トランクスと同年代。現代のトランクスは、幼児期が長いというサイヤ人の特性(「ジャコ」設定)ゆえかチビのまま。しかし、未来トランクスは地球人として年相応の肉体的成長を遂げている。人造人間と戦う悟飯への憧れ、同じように強くなりたいという願いに、体が応えたのか。

 悟飯に師事していることは母ブルマには内緒しており、悟飯には小さいころの自分を見ているようだと言われた。トランクスは人造人間の非道と、それを止められない自分の弱さが悔しくてたまらなかった。そして、もっと強くなって人造人間を倒したいという抑えられない気持ちは、戦闘民族サイヤ人ゆえだと自覚せざるを得ない。ブルマからも悟飯からも、気難しいが強くてとても誇り高い人だと聞かされてきた、亡き父ベジータの血が流れているからだと。ペッパータウンの惨劇から、トランクスは悟飯にもっと厳しい修行をつけてくれと望むようになった。

 この時点のトランクスの基本戦闘力は200万。未来悟飯が13歳だったころよりも高いと思われる。悟飯は自分を超える戦士の素質をトランクスに見出し、本格的に鍛えはじめる。しかし、まだ超サイヤ人にはなれない。擬似超サイヤ人のような状態を保つのがやっと。遊園地の戦いでは待機を命じられていたが、悟飯のピンチに飛び出し、逆に窮地を招き寄せてしまう。

 悟飯はトランクスをかばい、額から左頬にかけて大きく向こう傷を刻み、左腕を失う大ケガを負った。仙豆を食べれば左腕も元通りになったはずだが、最後の一粒はトランクスに与えて未来に希望を繋ぐ。悟飯もまた、幸いにも命に別状はなく戦える状態にまで回復した。原作番外編「TRUNKS THE STORY」で描かれているのは、このあとの展開だ。

 なお、ドラゴンボールZ 164話の回想では少年トランクスが剣を装備していたが、原作やTVスペシャルでは未使用。龍拳爆発と同じく トランクスの剣=タピオンの剣 だとしたら、未来でもこの前後の時期にヒルデガーンが出現した可能性も?


悟飯 350万(基本最大)〔→1億4000万(擬似超1)
1億7500万
(超1-1)〔~3億5000万(超1-1×怒り)

トランクス 250万(修行 基本最大)1億(擬似超1)1億2500万(超1-1)

17号「それにしても久しぶりだな孫悟飯…1年ぶりぐらいか? あれだけやられてよく生きて逃げられたもんだ」

悟飯「今度はやられないよう修行した…やられるのは貴様たちの番だ!」

17号「オレたちの番? ガッカリさせて悪いが…この前の戦いでは半分のパワーも使ってはいなかったんだぞ」

 原作でのこのやり取りはアニメにはないが、強さと時期の算出の参考にしたい。悟飯が左腕を失った遊園地の戦いをエイジ780初めとし、それから1年近く経ったエイジ780末を現在と想定

 トランクスは悟飯の下で厳しい修行を積んでいた(悟飯同様、回復パワーアップはあったとしても微々たるものとする)。悟飯もまたトランクスとの組手がいい稽古になったのか、1人で修行していたときより伸びがよくなったと思われる。基本値は各50万アップ。悟飯、350万。トランクス、250万。伸び率でいえばトランクスのほうが悟飯を上回っている。原作の悟飯は、あと何ヶ月かしたらトランクスに追い抜かれそうなほどの成長ぶりだと感じている。TVスペシャルのトランクスは擬似超サイヤ人状態の維持時間も長くなり、完全な超化まであと一歩というところ。

 それでも悟飯は、トランクスが17号、18号を倒す力をつけるのにあと何年か必要だとも感じていた。17号、18号が西の都を襲撃し、自分も戦うと言って聞かないトランクス。悟飯はそんなトランクスの不意を突いて気絶させ、単身、17号と18号との決戦に向かう。

18号「今度は逃がしはしないよ。こちらもフルパワーを出して殺す」

悟飯「オレは死なない! たとえこの肉体は滅んでも…オレの意志を継ぐ者が必ず立ち上がり、そして…お前たち人造人間を倒す」

 原作では17号の「この前は半分のパワーも使っていなかった」宣言に呆然と立ち尽くすしかなかった悟飯。しかし、TVスペシャルではフルパワーを出すと宣言した17号、18号相手にしばらく善戦する。この時点の悟飯が怒りパワーを発揮すれば戦闘力は3億5000万。17号と18号のちょうど間となる計算だ。戦い方次第では勝機があったかもしれないが、息の合った双子のサディスティックダンスが悟飯を翻弄し…。

 トランクスが目を覚ましたときには、悟飯の気は感じ取れなくなっていた。渦巻く激しい怒りと悲しみが、トランクスをついに完全な超サイヤ人(1 第一段階)へと覚醒させる。遅れてきた希望。降りしきる雨の中の、涙の超サイヤ人変身だった。


 なお、原作のトランクスは悟飯の死の前からすでに超化をマスターしており、ノーマル悟飯と組み手をする場面が描かれた。この場面をそのまま受け取れば、未来悟飯はノーマル状態で超サイヤ人トランクスを超える強さがあることになる。しかし、超1-4に達した境地のノーマルならいざ知らず、この時点の悟飯がそれでは力関係が崩れてしまう。トランクスが超サイヤ人の力をセーブしていたか、悟飯が擬似超化レベルの強さを引き出していたと考えるしかないだろう。

 ドラゴンボール超の未来トランクスも悟飯の死で超サイヤ人に目覚めたと回想された。

 未来悟飯は家庭用ゲーム「真武道会2」「Sparking! METEOR」「レイジングブラスト2」「ゼノバース2」にプレイアブル参戦。真武道会2の未来悟飯は、未来世界での魔人ブウ編を舞台に、超2化、アルティメット化をマスターして生き返る。ゼノバース2ではトランクスがタイムパトロールの使命を捨て、未来悟飯とともに17号、18号を倒す歴史が描かれた。「フュージョンズ」では、未来悟飯と未来トランクスがフュージョンした未来ゴハンクスが実現。ドラゴンボールヒーローズではそのほか、超サイヤ人3の未来悟飯が登場している。



-VS 人造人間 その3 絶望への反抗- 紫数字:完全推定数値

ブルマ 4

 悟飯の死(エイジ780末)から約3年後、エイジ784の初めごろを想定。ブルマ、50歳。エイジ784は原作(Z・改)本編の最終回として描かれた年代でもある。人造人間の襲撃でカプセルコーポレーションは半壊してしまったが、ブルマ自身は元気にやっている。未来でのブリーフ博士夫妻の生死は原作、アニメともに不明だが、亡くなっている可能性が高い。アニメでは、トランクスが現代のブルマの母に「はじめまして」と挨拶している。

「強いのはもちろん、どんなことが起きても必ず何とかしてくれそうな、そんな不思議な気持ちにさせてくれる人なの」

 悟空さえ生きていたらきっと、こんな地獄の未来にはならなかった。誰もが望んだ「IF」を、ブルマは現実にすることを可能にした。研究開発を続けてきたタイムマシンがついに完成したのだ。

 悟空の命を奪ったウイルス性の心臓病の特効薬は入手済み。タイムトラベル往復分のエネルギーチャージも完了し、あとは過去に旅立つだけとなっていた。しかし、人造人間の襲撃で研究所が壊されており、マシンの完成度は決して完璧とはいえない状況。エネルギーチャージに8ヶ月もかかるため、テストなしのぶっつけ本番タイムトラベルだ。

「ちゃんと行って帰ってこれると思うんだけど」

 過去を変えても、別の新たな未来が分岐、発生するだけで、この次元の歴史に影響はない。トランクスは過去を変えた次元と、自分のいた次元の未来を迷うことなく行き来している。ブルマのつくったタイムマシンは、並行世界間の航行をも実現していることになるが…。


トランクス 400万(基本最大)2億(超1-1)

 17歳。タイムマシンで過去に旅立つ直前のトランクス。エイジ784の場合、年数から計算すると18歳になるが、まだ誕生日を迎えていないということだろう。過去でフリーザ親子を倒したトランクスは、悟空に「この2年半後にオレは生まれたんです」と告げている(アニメでは2年後)。フリーザ親子が地球に来襲したのは公式年表によればエイジ764の8月某日。その2年半後はエイジ767の2月。トランクスの誕生年はエイジ766なので1年ズレてしまうが、上記の2年半が1年半のミスだったとすれば、いろいろと都合がいい。エイジ766の2月にトランクスが生まれたと考えれば、現在をエイジ784初めごろとすることでトランクス17歳が成立する。ドラゴンボールオンラインの年表では、トランクスはエイジ766の2月4日生まれだと記載されている。

 戦闘力は悟飯を超え、生前の父ベジータの強さに並んだ。今の実力なら人造人間を倒せると思い、わざわざ過去に行って研究しなくてもいいと感じていた。ブルマには3年前の悟飯と大差ないと注意されるが、トランクスは自信があると言って飛び出していく。決戦の場は、西の都南方900メートル地点にあるブリッジタウン(原作では西の都南方300キロメートル地点)。

 未来トランクスの代名詞ともいえる剣を装備し、たしかに攻撃力は上がっていた。18号の髪を少し切り落とし、17号にも以前より数倍パワーは上がっていると評価される。※超サイヤ人状態での比較では1.6倍アップ。※ただし、アニメでは17号が超サイヤ人になったトランクスを見るのは初めてという可能性もある。※3年前のノーマルトランクスと、現在の超サイヤ人トランクスの比較では80倍ものパワーアップになる。

 しかし、攻撃が直線的で疲れるだけだとも18号に指摘された。トランクスのエネルギー波はすべて紙一重でかわされ、やけになって撃ちまくってもなおさら効果がない。超サイヤ人状態は保っているが消耗し、永久エネルギーを持つ17号、18号に一方的に追い詰められる。18号のエネルギー弾でとどめを刺されたかに見えたが、気づくとトランクスは病院のベッドにいた。5日間も眠り続けることになったが、運よく生き延びることができたのだ。

 トランクスは人造人間との差はまだまだ大きかったと痛感し、ブルマの提案を素直に受け入れる。ケガが治ったらすぐにタイムマシンに乗り込み、過去の時代へ行く決意をした。悟飯が残した最後の希望、トランクスはタイムマシンにHOPE!!(希望)の文字を刻み、絶望への反抗を誓う。目指すは20年前の過去、エイジ764。地球に帰還しフリーザ親子を倒した悟空に会い、事情を説明し心臓病の特効薬を渡すこと。

 この時点での目的は悟空だけに会うこと。父ベジータと会うのは次の機会にするはずだった。しかし、トランクスは悟空やベジータ、小さいころの悟飯にまで会うことになるのだった。フリーザ親子を倒すはずの悟空が地球に戻るまで3時間。時間の食い違いを感じたトランクスは、悟空に代わってフリーザ親子を退治する。本来の歴史では悟空は瞬間移動で戻ってくることになっていたが、トランクスはそれを知らなかった。トランクスは悟空(とピッコロ)以外には正体を隠したまま、いったん20年後の未来に戻る。

 なお、原作のブルマは目標の時代を17年前と言っていたが、この時点から17年前はエイジ767。人造人間が出現した年で、悟空はすでに心臓病で死んでしまっているため、行っても意味がない。明らかな数値ミスなのだが、ドラゴンボール超ではこの「17年前」がキーワードになっている。DB超の未来トランクスが目指した17年前の過去はエイジ779。逆算すれば、エイジ796がDB超の未来トランクスが生きる時代となる。


トランクス 500万(基本最大)2億5000万(超1-1)

 本編(現代)で人造人間出現後のエイジ767、5月12日にタイムトラベルしてきたトランクス。このトランクス自身の発言により、彼が元いた時代はエイジ785だと確定している。※セルがトランクスを殺してタイムマシンを奪ったのがエイジ788。その3年前がこのトランクスのいた時代。

 初めての過去への渡航がエイジ784初めとした場合、今回はそれから最低でも1年は経過していることになる。以前のタイムマシンエネルギーチャージは8ヶ月で済んだが、今回は4ヶ月以上も長引いたということか。また、エイジ785から見てエイジ767は18年前の過去。DB超の「17年前」設定とは1年ズレているのも要注意だ。

 このトランクスがやってきたのをエイジ785初めとすれば、19歳の誕生日間近の18歳。タイムマシンのエネルギーチャージ期間(1年)を経て戦闘力を伸ばしてきた。悟空の強さに触発され、また「最後の決戦」に向けての気合が修行の成果を高めたのだろう。トランクスは悟空たちと人造人間との戦いに参加すべく、過去に飛んだ。しかし、そこに待っていたのは見たこともない新たな人造人間たち。その原因は、トランクスは自分が過去に干渉したせいだと思ったが、原因は別のところにあった。エイジ788でトランクスを殺してタイムマシンを奪ったセルが、フリーザ親子襲来の1年前、エイジ763にやってきていたのだ。



-もう一つの結末- 紫数字:完全推定数値

トランクス 7億8000万(基本最大)390億(超1-4)

 トランクスが別次元の過去世界(エイジ767)から自分の次元(エイジ785)に帰還。精神と時の部屋での2度(2年)の修行を経て、超1-4の領域に到達し戦闘力を飛躍的に向上させた。この次元の17号、18号を難なく倒し、殺された悟飯たちのカタキを討つ。


〔トランクス 8億6000万(基本最大)430億(超1-4)

 エイジ786(?)。タイムマシンのエネルギーチャージ期間(1年ほど)を経て、さらに戦闘力を伸ばす。17号、18号を倒した報告をしに再び別次元の過去世界、エイジ767の某月某日へ(19年前に移動)。姿は長髪、私服のトランクス。下記のセル退治後のトランクスとは姿が異なるため、この時期のトランクスを想定した。現代の若い母の頼みで天下一大武道大会に出場し、副賞の世界温泉めぐりを狙う。ボージャック一味と戦った。(劇場版「銀河ギリギリ!!ぶっちぎりの凄い奴」)


トランクス 12億(基本最大)600億(超1-4)

 エイジ788。トランクス、22歳(精神と時の部屋での修行期間を含めると24歳)。短髪、戦闘ジャケット着用。この次元のセルを退治し、すべての人造人間を倒した報告をしに過去へ飛ぶ。ドラゴンボール超における「17年前」設定を適用すれば、訪れた時代はエイジ771になる。エイジ771は公式年表ではクリリンと18号の娘、マーロンが生まれた年。しかし、DB超の未来トランクスはクリリンと18号が結婚したことも知らなかった。

 また、タイムマシンの往復エネルギーチャージに3年(上記の「銀河ギリギリ」を含めれば2年)を要している点も見過ごせない。最初のチャージは8ヶ月(片道分4ヶ月)、2度目は1年(片道分半年)、そして3~4度目となる今度は2~3年(片道分1年以上)。徐々にタイムマシンのエネルギー(DB超では「青の15号電気液」と呼ばれる物質)の精製が困難になってきたことが窺える。DB超の未来トランクスも、片道分エネルギー抽出に1年近くかかったと証言している(現代では1日で往復分チャージ可能)。



-もう一つの結末の、その先に- 紫数字:完全推定数値

・ドラゴンボール超 “未来”トランクス編
・ドラゴンボールZ 真武道会2 アナザーロード

 戦闘力考察ページ制作予定




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